たま)” の例文
旧字:
まさか、蕎麦屋そばやで、かけ一、御酒なしでも済まないので、苦心の結果、場末の浪花節を聞いたという。こんなのは月賦が必ずたまる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天井の上にも、縁の下にも、さらに悪気がたまって人をつなんという趣は少しもないのです。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
たいしたものだ、いまだに貴方あなたのお暮しの話をして居りますが、あの時わっちア道楽のばちかさをかいて、医者も見放し、棟梁の処に雑用がたまり、薬代やくだいも払えず、何うしたらよかろうと思ってると
但し、すーうと胸にたまらず、頭に上らず——毒にもならず、薬にもならずというところでげすから、泡盛あわもりよりは軽い意味に於て、将来、こりゃなかなか一般社会の飲物として流行いたしやしょう
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)