偶時たま)” の例文
また偶時たまには、うツかり足を踏滑らして、川へはまり田へころげ、濡鼠ぬれねずみのやうになツて歸ツた事もあツたが、中々其樣な事にこりはしない。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
何故なぜ?………おれだツて其樣そんなに非人情ひにんじやうに出來てゐる人間ぢやないぞ。偶時たまにはさいの機嫌を取ツて置く必要もある位のことは知ツてゐる。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
螢も急にすくなくなツて、偶時たまに飛んで來るそれも、何か光がうすくなツたやうに思はれる。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「そりや然うだとも!………世の苦勞があるから、偶時たまにア亡くなツた人のことも思はないじやないけども正直しやうじき家作かさくでも少しあツたら、此うしてゐた方が幾ら氣らくだか知れやしない。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「そりや偶時たまにはう思はんでも無いな。しかしお前は俺にはようのある人間だ。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
偶時たまにはまた少し變ツた物や變ツた出來事にも打突ぶツからぬでは無い。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)