“快”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こころよ34.9%
34.1%
8.8%
こゝろよ8.5%
かい2.7%
こゝろ2.5%
こころ1.4%
くわい1.1%
なお0.5%
いい0.5%
こゝろよし0.5%
なほ0.5%
よろ0.5%
ちょう0.3%
いゝ0.3%
きもち0.3%
こころよか0.3%
こころよし0.3%
こゝちよ0.3%
こゝよ0.3%
こゝろよく0.3%
たもと0.3%
はや0.3%
よく0.3%
よろし0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしはたれの紹介をも求めずに往ったのに、飯田さんはこころよ引見いんけんして、わたくしの問に答えた。飯田さんは渋江道純どうじゅんっていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もうさっぱりした気分になりましたか。でも御恢復かいふくになったかいもありませんね。今までのあなたでこうしてくおなりになったのを
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
心配した時子の病氣も、だん/\い方に向って来ると、朝子は毎日ぼんやりした顔をして子供のベッドの裾の方に腰をおろしてゐた。
秋は淋しい (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
「あつちになけりやつてつたらようござんせう、大豆でえづもこれつたところならつてくとえゝんでがしたがね」おつぎはこゝろよくいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大亀だの、阿能十だの、三平だの、お島だのという誇悪と社会反逆をかいとする不良の徒も、毒茸のように、生え揃って来たものだった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くりけた大根だいこうごかぬほどおだやかなであつた。おしなぶんけば一枚紙いちまいがみがすやうにこゝろよくなることゝ確信かくしんした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
人にわが不平を訴えんとするとき、わが不平が徹底せぬうち、先方から中途半把ちゅうとはんぱ慰藉いしゃを与えらるるのはこころよくないものだ。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すすむこと一里半にしてきふ暖気だんきかんず、俯視ふしすれば磧礫間温泉おんせんありて数ヶ所にづ、衆皆くわいぶ、此処はあざはな或は清水沢しみづさはと称し
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
多分風をひいたのだろう。明日あすになればなおってしまうと、彼は昨日あたりまで平気で床の中によこたわっていたが、今日はなかなか苦しそうに見えた。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
雪風ゆきかぜに熱い頬を吹かせながら、お葉はいい心地こころもち庭前にわさきを眺めていると、松の樹の下に何だか白い物の蹲踞しゃがんでいるのを不図ふと見付けた。どうやら人のようである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかれどもべつ社界しやかい大弊根たいへいこんながそんするありて、壯年有爲そうねんゆういをして徃々おう/\にして熱火ねつくわ焔柱ゑんちういだくの苦慘くさんこゝろよしとせしむることあり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
はらひしも最早もはや夫さへ殘りなくまこと當惑たうわく折柄をりからなるに御深切ごしんせつの御言葉にあまえ何とも鐵面皮あつかましき御願ひなれども今少しをつとの病氣のなほる迄御慈悲に滯留たいりう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「——時に、あなたのご病気の方は、幾分かおよろしいのですか。——今日一日は、何やら自分の無事ばかり祝されておったが」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「受けた、みんなかかって来い。ちょうだ!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新「ちっとはいゝかえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
たとえばピリッと電光のように感じはしても、間もなくその身体が、平行から直立の方に移って行くので、従って、そのうずきと共に、血がきもちよく足の方に下って行って
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その出所の多くは西洋語の翻訳に基くものにして、吾人ごじんの耳にはなはだこころよからぬ響を伝うるものを列挙しはじめた。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
手料理を人にきょうするものは先方の胃袋が堪うるといなとに頓着とんちゃくなく多食せらるるをこころよしとなす癖あり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
と、胸にはたふとい感動がまた強くよみがへり、一種のこゝちよい創作的興奮が私のすべてを生き生きさせた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
かれなが時間じかん氷雪ひようせつあひだわたつたのち、一ぱいつめたい釣瓶つるべみづそゝぐことによつてこゝよよい暖氣だんきあかつたあしかんずるやうに、僅少きんせうあるものかれ顏面がんめんひがんだすぢのべるに十ぶんであるのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
御酒ごしゆをめしあがつたからとてこゝろよくくおひになるのではなく、いつもあをざめたかほあそばして、何時いつ額際ひたひぎはあをすぢあらはれてりました。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
平次は由兵衛のたもとを押えました。ここで何か言い出されては、何もかもいけなくなってしまいます。
主人入り來りて、我に歌うたへといふに、我は喜んで命に從ひぬ。士官は我に報せんとて、泡立てる酒を酌みてわたしゝかば、我何の心もつかで飮み乾さんとせしに、貴婦人はやく傍より取り給ひぬ。
あんちゃんが今に専門の医者にかけて必ずよくしてやるからな。いいか、兼、アーメンとこさ行くんじゃねえよ。……おっ母ア、お前の小使い置いていくよ。俺ア急ぐから帰るぜじゃ又な——
反逆 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
久「お師匠さんいけませんね、おっかさんがお見舞に上るのですが、つい店が明けられませんで、ちっとはおよろしゅうございますか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)