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快
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よ
ふりがな文庫
“
快
(
よ
)” の例文
もうさっぱりした気分になりましたか。でも御
恢復
(
かいふく
)
になったかいもありませんね。今までのあなたでこうして
快
(
よ
)
くおなりになったのを
源氏物語:36 柏木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
花を
枕頭
(
まくらもと
)
に
差置
(
さしお
)
くと、その時も絶え入っていた母は、
呼吸
(
いき
)
を返して、それから
日増
(
ひまし
)
に
快
(
よ
)
くなって、五年経ってから亡くなりました。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何てえんでしょう、私ちっとも知りませんでしたよ。それでも、もうそんなに
快
(
よ
)
くおなんなすって。汽車に乗ってもいいんですか。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ねえ、浪路さま、しっかりあそばして、
快
(
よ
)
くなって下されませ——な、その中に、屹度、楽しい日もまいりましょうほどに——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
あくる朝はなんだか気分が
快
(
よ
)
くなかった。ゆうべよく眠れなかったのと、
寝衣
(
ねまき
)
で夜露に打たれたのとで、からだが
鈍
(
だる
)
いようにも思われた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
京都大学の講師富岡謙蔵氏は、長らく病気で
臥
(
ふ
)
せつてゐる。
幾人
(
いくたり
)
かその道の博士を
聘
(
たの
)
んで診ては貰つたが、一向に
快
(
よ
)
くならない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お通の体があれから急に
快
(
よ
)
くなっているという
理
(
わけ
)
はないから、お通がここまで歩いて来たのは、よくよく悲壮な覚悟でなければなるまい。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「本当におからださえ普通のひとのようであったなら、どれほど助かることか分からないのになあ、なんとかして
快
(
よ
)
くなっていただきたい」
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
父の病気がいっこうに
快
(
よ
)
くならなかったのだ。薬屋の店台は自分と同じくらいの高さで、質屋の店台はさらにその倍くらいの高さであった。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
お島がお昼を持って来た時に聞いて見たら、乃公は忠公の
快
(
よ
)
くなるまで蔵の中にいるのだそうだ。忠公は何時快くなるだろう。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「いや、ありがとう。自分でも不思議なくらいにね、ますます
快
(
よ
)
い方に向いて来たよ。こうして隠居しているのがもったいないくらいさ。」
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わたくしのほうも、いまいった大久保の奥様が
風邪
(
かぜ
)
でふせっていらっしゃるので、それが
快
(
よ
)
くなるのを待っているのですから。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私は伯母を見舞ひに百
哩
(
マイル
)
の旅をして來た。そして彼女が
快
(
よ
)
くなるか——でなければ
亡
(
な
)
くなるまで彼女の許に留つてゐなくてはならないのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さりとて打ち捨ておかば清吉の乱暴も
我
(
わ
)
が
命令
(
いいつ
)
けてさせしかのよう疑がわれて、何も知らぬ身に心地
快
(
よ
)
からぬ
濡衣
(
ぬれぎぬ
)
被
(
き
)
せられんことの口惜しく
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
千代
(
ちい
)
ちやん
今日
(
けふ
)
は
少
(
すこ
)
し
快
(
よ
)
い
方
(
はう
)
かへと二
枚折
(
まいをり
)
の
屏風
(
べうぶ
)
押
(
お
)
し
明
(
あ
)
けて
枕
(
まくら
)
もとへ
坐
(
すは
)
る
良之助
(
りやうのすけ
)
に
乱
(
み
)
だせし
姿
(
すがた
)
恥
(
はづ
)
かしく
起
(
お
)
きかへらんとつく
手
(
て
)
もいたく
痩
(
や
)
せたり。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
文造はこの
二人
(
ふたり
)
の
頭
(
つむり
)
をさすって、
姉
(
ねえ
)
さんの病気は少しは
快
(
よ
)
くなったかと問い、いま会うことができようかと聞いて見た。
まぼろし
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
みんなが大抵
快
(
よ
)
くなった今、最後に彼に感染したらしく、熱を出している。近頃彼のことを戯れにデイヴィ(バルフォア)と呼ぶことにしている。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
もしこの人が
快
(
よ
)
くなって起きるようになったらどうしようか? と、そのとき、あの恐ろしい考えが、ふとわたくしの心に浮かんだのでございます!
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
度々お見舞下されては
痛入
(
いたみい
)
ります。それにこれの病気も最早
快
(
よ
)
うなるばかりじやで御心配には及ばんで、以来お
出
(
い
)
で下さるのは何分お断り申しまする
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「こんな田舎の医者なんかあかへん。少し
快
(
よ
)
うなつたら京へお
来
(
い
)
なはい。
伯父
(
おつ
)
さん病院入れて癒したるよつて。」
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
秀雄ちゃんは早速お医者さんに来て
貰
(
もら
)
いましたら大腸
加答児
(
カタル
)
だそうで昨日あたりからやっと
快
(
よ
)
くなって来ました。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分は
黙然
(
もくねん
)
としてわが
室
(
へや
)
に帰った。そうして
胡瓜
(
きゅうり
)
の音で
他
(
ひと
)
を
焦
(
じ
)
らして死んだ男と、
革砥
(
かわど
)
の音を
羨
(
うらや
)
ましがらせて
快
(
よ
)
くなった人との相違を心の中で思い比べた。
変な音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
が
折
(
おり
)
に園の部屋へ見舞に参りますと、直ぐ布団の上へ起きなおりまして、もうなに
大
(
おお
)
きに宜しゅうございますなどゝ云って、まことに
快
(
よ
)
い
振
(
ふり
)
をして居るから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼はわたしのことを聞いたので、下士は私の
快
(
よ
)
くないということを話して、たぶん日射病か何かに
罹
(
か
)
かったのであろうと言うと、彼は悩ましげに見えたそうです。
世界怪談名作集:15 幽霊
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
容態が思はしくない間は、誰れしも警戒しますが、少し
快
(
よ
)
くなるとついお調子に乗つて瑣細なことを
等閑
(
なほざり
)
にして、そのために飛んだ
失敗
(
しくじり
)
を引きおこし易いものです。
〔婦人手紙範例文〕
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
平常
(
ふだん
)
からひと方ならず目をかけてやっていた女房も喜んだものであるが、いまだに八王子からやってこないところを見ると、まだほんとうには
快
(
よ
)
くならないらしい。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
心附かぬ様子、まずよかッたと安心し、何喰わぬ顔をしてまた両人の話を聞出すと、また眼の皮がたるみ、引入れられるような、
快
(
よ
)
い心地になッて、
睡
(
ねむ
)
るともなく
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
有り合う下駄を取り上げて、お八代さんの頭をサモ気持
快
(
よ
)
さそうに打って打って打ち据えられました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私はふと咽喉を痛めて、薬を飲んだり、湿布したりしても、咳ばかり出て少しも
快
(
よ
)
くならなかった。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
「わたしが
快
(
よ
)
くなったら如何でもして恩報じをするから、今夜は
苦艱
(
くげん
)
だから、済まないが阿爺さん起きて居てお呉れ、
阿母
(
おっかさん
)
は赤ん坊や何かでくたびれきって居るから」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
患者としてはこの病院内で一番の古顏となつたかはりに、私は思の
外
(
ほか
)
だんだん
快
(
よ
)
くなつて行つた。
嘘をつく日
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
指輪
(
ゆびわ
)
を
売
(
う
)
って、
弟
(
おとうと
)
の
病気
(
びょうき
)
を
快
(
よ
)
くしようというやさしい
情
(
じょう
)
に
感心
(
かんしん
)
せずにはいられなかったのでした。
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「一足違いだッた。その事を聴かしたら病気も
快
(
よ
)
くなって、死なずに出世も出来たろうのに……」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
前後も知らぬ
高鼾
(
たかいびき
)
で、さも心持
快
(
よ
)
さそうに寝ておりますから、
〆
(
し
)
めた! おのれ画板め、今
乃公
(
おれ
)
が貴様の角を、残らず取り払ってやるからにわ、もう
明日
(
あした
)
からわ角なしだ
三角と四角
(その他)
/
巌谷小波
(著)
それがなかなか
快
(
よ
)
くならず、いつ一人で帰れるようになるか分からなかったので、とうとう役所に電話をしてすべてを浜之助に告げた。浜之助はすぐ役所から飛んできた。
花を持てる女
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
帝国書院刊本『塩尻』三四に、主上疱瘡の御事ある時は坂本山王の社に養える猴必ず疱瘡す、御痘軽ければ猿の病重く、皇家重らせたまえば猴やがて
快
(
よ
)
くなるといい伝う。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
萎縮腎は一時
快
(
よ
)
くなりましたので、
大晦日
(
おおみそか
)
には米や野菜を持って箱根へ
湯治
(
とうじ
)
にまいりました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
考えるのですか。お部屋に帰って横におなりなさい。そしてぐっすりお
寐
(
やす
)
みなさい。あなたはもっと睡眠を
摂
(
と
)
らなくちゃいけませんよ。よく眠りさえすれば、
直
(
じき
)
に
快
(
よ
)
くなりますよ。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
「お母さんもう
帰
(
い
)
なんか。今日は天気が
快
(
よ
)
すぎる。のぼせるといかんせに帰なんか」
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「でもちっとも今だってこの間じゅうにくらべて
快
(
よ
)
くならないじゃありませんか」
勝ずば
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「夫が、このとおり、空襲で
頭部
(
あたま
)
に負傷いたしまして、なかなか
快
(
よ
)
くならないんですの。早く
名医
(
めいい
)
の手にかけないと、悪くなるという話ですから、これからロンドンへ急行するんです」
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中村楼の雨傘を借りて、それを片手にさしながら、片手には例の折詰を
提
(
さ
)
げて、少し、ほろ酔い加減に、
快
(
よ
)
い気持で、ぶらぶらと、
智恩院
(
ちおんいん
)
の
山内
(
さんない
)
を通って、あれから、
粟田
(
あわだ
)
にかかろうとする
狸問答
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
これを飲んだらあれを買ってやるからと云ったような事で、枕元には
玩具
(
おもちゃ
)
や絵本が
堆
(
うずたか
)
くなっていた。少し
快
(
よ
)
くなる頃はもう外へ遊びに出ようとする、それを引き止めるための玩具がまた増した。
枯菊の影
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ところでもはや二日ばかり療養して大分に身体も
快
(
よ
)
くなりましたから
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
今日は少し
快
(
よ
)
かったから起きてみました。夜は早く床に就きましたが、よく眠れました。夜中になって、ふと妙な音が耳に入りましたから目を覚まして、音のする方を見て、我知らず身を起しました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
病気が少しも
快
(
よ
)
くならず、医者から肺炎だと診断されてからも、私が行くと急に元気になって話し出すので、私は、かえって病気によくないだろうと思った。で、しばらくは見舞いにも行かなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「もう
快
(
よ
)
くなりましたよ」と、クラチットの
主婦
(
かみ
)
さんは云った。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「大丈夫でございます。お蔭様で傷の方は一日一日
快
(
よ
)
くなるようで、もう少しくらい話しても障るようなことはございません。それに、銭形の親分さんなら、ぜひお耳に入れておきたいこともございます」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「阿闍利さま、童子はきっと
快
(
よ
)
くなるにちがいありません。」
あじゃり
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
すぐに
快
(
よ
)
くおなりですわ。男の
方
(
かた
)
もやはり、私ども罪深い女と同じにお弱くいらっしゃるのね。本当にお二人とも今が一番お辛い時ですわ……お察ししますわ。で、あなた、あのお返事はいかが? お話を
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“快”の意味
《名詞》
(カイ) 気持ちがよいこと。
(出典:Wiktionary)
“快(
快感
)”の解説
快感(かいかん、el: ἡδονή, 、la: voluptas、en: pleasure)は、気持ち良いと感じる事。快楽(かいらく)、享楽(きょうらく)とも。喜び・幸せ・満足等の感情と密接に結びついている。
(出典:Wikipedia)
快
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“快”を含む語句
爽快
愉快
不快
全快
快活
快方
快楽
快濶
快癒
快樂
快走艇
心快
明快
快適
快感
快哉
不愉快
痛快
快諾
快然
...