“苦艱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くげん65.5%
くかん34.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
孤独地獄にも陥ちたらんが如く苦艱くげんを受くること屡々しばしばなりなど仰せられ、御改易のことについては、些の御後悔だに見えさせられず候。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼の新なる悔は切にまつはるも、いたづらに凍えて水を得たるにおなじかるこのふたつの者の、相対あひたいして相拯あひすくふ能はざる苦艱くげんを添ふるに過ぎざるをや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いかにも傍観者の言いそうなひややかな言葉である。苦艱くかんにある友にむかって発する第一語において、かく訶詰かきつの態度を取るは冷刻れいこくといわねばならぬ。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
人間が、人間を奴隷とし、自欲のためには、他の苦艱くかんをも意としない、そのことが人道にもとるにもかゝわらず。不問にされることも知っている。
人間否定か社会肯定か (新字新仮名) / 小川未明(著)