“くかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苦諫32.4%
躯幹27.0%
苦艱27.0%
苦寒5.4%
苦患2.7%
苦諌2.7%
苦鹹2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三師の苦諫くかん 夜の十一時前でございましたが、大谷上人しょうにんを始め他の随行の方々と我々と共に団坐だんざしてお話することが出来ました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
津下四郎左衛門の容貌がの正高さんに似てゐたことは本文でも察せられる。しかし四郎左衛門は躯幹くかんやゝ長大で、顔が稍まるかつたさうである。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
人間が、人間を奴隷とし、自欲のためには、他の苦艱くかんをも意としない、そのことが人道にもとるにもかゝわらず。不問にされることも知っている。
人間否定か社会肯定か (新字新仮名) / 小川未明(著)
けだし北越奇談ほくゑつきだん会津あひづとなこまたけ深谷しんこくに入ること三里にして化石渓くわせきたにと名付る処あり、虫羽ちゆうう草木といへどもたにに入りて一年をればみな化して石となる。その川甚苦寒くかんにして夏もわたるべからざるが如し。
われら風情をも、たのむべきやからおぼし給えばこそ、かほどの大事をも、お胸を割って、打ち明け下されたものと存ずる。君恥かしめらるれば臣死す。やわか殿おひとりのみに苦患くかんをおさせ申そうや。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
苦諌くかんしまいらせ、手ずから宮家の物の具を解き、自身にそれを引きまとい、無二の宮方であるところの、吉水院真遍に道案内をさせ、高野山を目ざして宮家を落とし、一息ついた彦四郎義光よしてる
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その頃から露西亜の深酷な苦鹹くかんの文学を味得して、風采人品からいっても微塵みじん戯作者気げさくしゃけのなかった二葉亭でさえも半面にはまたこの気分をかなり多量に持っていた。