“円”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
まる63.0%
まろ10.1%
まど5.9%
つぶ4.8%
つぶら4.8%
えん4.6%
まどか1.7%
1.3%
ゑん0.8%
りょう0.4%
(他:12)2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“円”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > スポーツ・体育 > 戸外レクリエーション22.1%
歴史 > 地理・地誌・紀行 > 日本17.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)7.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
どっしりとした古風な石燈籠いしどうろうが一つ置いてあって、その辺にはまるく厚ぼったい「つわぶき」なぞも集めてある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こうつぶやいた遠藤は、その紙切れを、拾い上げながらそっと隠した懐中電燈を出して、まんまるな光に照らして見ました。
アグニの神 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ちなみにわが国の神官の間に伝わる言い伝えに、人間の霊魂は「たえまろき」たまであるという考えがあるそうである。
ルクレチウスと科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
私は目をまろくして、梯子口から顔を出してると、叔父は平気で笑ひながら、「誰にも言ふな。」と言つて、おあしを呉れた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
まどかなる望月ながら生蒼なまあをくまする月の飛び雲の叢雲むらくもあひ、ふと洩れて時をり急に明るかと思ふ時なり。
まどかなる夢百里の外に飛んで眼覚むれば有明の絹燈蚊帳かやの外におぼろに、時計を見れば早や五時なり。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかも、瞬きを忘れた、つぶらな瞳は、じっと私に向けられ、何か胸の中を掻きみだすような、激しい視線を注ぎかけて来る。
脳波操縦士 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
機に上って日ねもす、時には終夜よもすがら織って見るけれど、蓮の糸は、すぐにつぶになったり、れたりした。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
傍の女を対手あいてにして戯言じょうだんを云っていた宇賀の老爺おじいは、小さなつぶらな眼を長者の方にやりました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
幾はなお立ち去りかねて、老婦人が手中の書を、目をつぶらにしてうちまもりぬ。手品の種はかのうちに、と思えるなるべし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
われて、アンドレイ、エヒミチはもくしたまま、財嚢さいふぜにかぞて。『八十六えん。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
じつわたしけたのです。で、どうでしょう、ぜにを五百えんしてはくださらんか?』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それにはなんじ婚姻を問う、只香勾こうこうを看よ、破鏡重ねてまどかなり、悽惶好仇せいこうこうきゅうと書いてあった。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「小面」の形とちがう点は、わずかに頣の一ヵ所でもあろうか、「小面」の頣は長いのであったが、お菊の頤はまどかであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
葉子も、何時か、体全体に、脂肪を持った、ふくよかな肉がつき、ろやかに、体から流れ出る線は、白く、そして弾力に富んで来た。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
乳が止まることのあるものだと聞くと、乳母は、胸へ手を当て、眼をるくした。「ともかく明日わたしが又来るから、そのとき模様を見てあげよう。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
左様さやうでげすな、四品よしなで七ゑんぐらゐでは如何いかゞでげせう。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんでも飛騨ひだゑん当時たうじかはつたこともめづらしいこともなかつたが、たゞ取出とりいでゝいふ不思議ふしぎは、医者いしやむすめで、うまれるとたまのやう。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
赤坂の万竜まんりゅうは、壱万りょうで、万両の名を高くしてさえいる。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「毎月ね、」辰爺さんは声を落して囁いた。「毎月ね、三りょうずつやりますよ。それから兄の所から三りょう宛ね、くれますよ。ソレ小遣こづかいが足りねえと、上祖師ヶ谷の様にならァね」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
母儀の死ぬのを待って仏道に入ればすべてがうまく行くように思えるが、しかしもし自分が先に死ねばどうなるか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「間違いなんかいたしません、百八十五ン」
古銭の謎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
と云って兄の膝の前の椀からその太ったまあるい一片を箸の先に刺そうとした。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
準頭じゅんとうが豊かにまろかな鼻、左右の隅がやや上にあがり、形の大きい厚手の口等は、貴人の相を想わせて
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火焔の脈を打たせて満ちたるまろみの月は世界のつち色の岸から岸にとやわらかい光の潮を敷いていた。
(新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
しかしまろやかな相貌そうぼうと全躯にみなぎる深い光沢を仰ぐとき、天武天皇が生涯しょうがいにわたって心奥に憧憬どうけいされたあの久遠の和の光輝を思わないわけにゆかない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
この時ネルロも、まろらかな夢を破られて、びっくりしてかけつけて来ましたが、コゼツの旦那は荒々しく彼をつきのけて、腹が立ってたまらないように、
へえゝ……あ彼処あすこまアるいものはなんです、かういくつもるのは。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
機に上つて日ねもす、時には終夜ヨモスガラ織つて見るけれど、蓮の糸は、すぐにツブになつたり、れたりした。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何時イツ見ても、大師タイシは、微塵ミヂン曇りのない、マドかな相好サウガウである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ぽうつと明り立つと、幾重にも隈の畳まつた、大きなマドかな光明になる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
月のやうにマルくて、幾つも上へ/\と、月輪グワチリンの重つてゐる如くも見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
郎女イラツメが、筆をおいて、にこやかなヱマひを、マロ跪坐ツイヰる此人々の背におとしながら、のどかにシカし、音もなく、山田の廬堂を立ち去つた刹那、心づく者は一人もなかつたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)