“円頂”のいろいろな読み方と例文
旧字:圓頂
読み方割合
えんちょう42.9%
あたま14.3%
えんちよう14.3%
まるあたま14.3%
ドオム14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頭こそ円けれ、黒羽二重の羽織を長めに著て、小刀を腰にした反身そりみの立姿が立派で、医者坊主などといわれた円頂えんちょうの徒とは違うのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
下頬膨しもぶくれにふっくらと肥え、やや中窪なかくぼで後頭部の大きな円頂あたまは青々として智識美とでもいいたいようなつやをたたえ、決して美男という相ではおわさないが、眉は信念力を濃く描いて、鳳眼ほうがんはほそく
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
円頂えんちよう黒鬼こくきに、くひとめらる。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
が、耳もきばもない、毛坊主けぼうず円頂まるあたまを、水へさかさま真俯向まうつむけに成つて、あさ法衣ころものもろはだ脱いだ両手両脇へ、ざぶ/\と水を掛ける。——かか霜夜しもよに、掻乱かきみだす水は、氷の上を稲妻いなずまが走るかと疑はれる。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
工場の屋背にはまた半球形の円頂ドオムがあつた。それが月の陰になつて暗い紫灰銀色の空気に沈んでゐる。この珍らしい光景をみると、自分は、一体どこの国へ来たんだい! と怒号つてやりたくなつた。
市街を散歩する人の心持 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)