“中窪”の読み方と例文
読み方割合
なかくぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ウェーヴをけた額は、円くぽこんと盛上って、それから下は、大きな鼻を除いて、中窪なかくぼみに見えた。あごが張り過ぎるように目立った。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
馬の背に立ついわお、狭く鋭く、くびすから、爪先つまさきから、ずかり中窪なかくぼに削った断崖がけの、見下ろすふもとの白浪に、揺落ゆりおとさるるおもいがある。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
籔は中途まで進むと中窪なかくぼみになつてゐた。筍を避け枯笹を踏んで四五間も進んでから振り返ると通つて来た竹籔が頭の上にあつた。舟底のやうな窪地だつた。
籔のほとり (新字旧仮名) / 牧野信一(著)