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中窪
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なかくぼ
ふりがな文庫
“
中窪
(
なかくぼ
)” の例文
ウェーヴを
弾
(
は
)
ね
除
(
の
)
けた額は、円くぽこんと盛上って、それから下は、大きな鼻を除いて、
中窪
(
なかくぼ
)
みに見えた。
顎
(
あご
)
が張り過ぎるように目立った。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
馬の背に立つ
巌
(
いわお
)
、狭く鋭く、
踵
(
くびす
)
から、
爪先
(
つまさき
)
から、ずかり
中窪
(
なかくぼ
)
に削った
断崖
(
がけ
)
の、見下ろす
麓
(
ふもと
)
の白浪に、
揺落
(
ゆりおと
)
さるる
思
(
おもい
)
がある。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
籔は中途まで進むと
中窪
(
なかくぼ
)
みになつてゐた。筍を避け枯笹を踏んで四五間も進んでから振り返ると通つて来た竹籔が頭の上にあつた。舟底のやうな窪地だつた。
籔のほとり
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
砂山の
岨
(
そは
)
が松の根に縦横に縫はれた、殆ど鉛直な、所々
中窪
(
なかくぼ
)
に崩れた断面になつてゐるので、只
果
(
はて
)
もない波だけが見えてゐるが、此山と海との間には、一筋の河水と
一帯
(
いつたい
)
の
中洲
(
なかす
)
とがある。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
下頬膨
(
しもぶく
)
れにふっくらと肥え、やや
中窪
(
なかくぼ
)
で後頭部の大きな
円頂
(
あたま
)
は青々として智識美とでもいいたいような
艶
(
つや
)
をたたえ、決して美男という相では
在
(
おわ
)
さないが、眉は信念力を濃く描いて、
鳳眼
(
ほうがん
)
はほそく
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
馬の
沓形
(
くつがた
)
の畠やや
中窪
(
なかくぼ
)
なのが一面、青麦に菜を添え、紫雲英を
畔
(
くろ
)
に敷いている。……真向うは、この辺一帯に赤土山の
兀
(
は
)
げた中に、ひとり
薄萌黄
(
うすもえぎ
)
に包まれた、土佐絵に似た峰である。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その負さりたもうた腹部の
中窪
(
なかくぼ
)
みな、
御丈
(
みたけ
)
、
丈余
(
じょうよ
)
の地蔵尊を、
古邸
(
ふるやしき
)
の門内に安置して、花筒に花、手水鉢に
柄杓
(
ひしゃく
)
を備えたのを、お町が手つぎに案内すると、外套氏が懐しそうに拝んだのを
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
窪
漢検準1級
部首:⽳
14画
“中”で始まる語句
中
中央
中間
中空
中々
中宮
中旬
中心
中原
中風