“沓形”の読み方と例文
読み方割合
くつがた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其處そこ町屋まちやを、うま沓形くつがた一廻ひとまはりして、振返ふりかへつたかほると、ひたひかくれてくぼんだ、あごのこけたのが、かれこれ四十ぐらゐなとしであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だがそれはあの無心な奔放な雅致を、技巧で作為しようとする悪戯いたずらに過ぎない。原作は別として、あの「沓形くつがた」と称する茶碗の如き、醜の醜である。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
草に巨人の足跡の如き、沓形くつがたの峯の平地ひらちへ出た。巒々らんらん相迫あいせまった、かすかな空は、清朗にして、明碧めいへきである。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)