“沓石”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くつぬぎ77.8%
くついし22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼もそのまま書院のほうへ歩み出し、沓石くつぬぎ草履ぞうりを捨てかけた。——ところへまた、先刻さっき家人けにんが、首を振りながら駈けて来て
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上様うえさまのおいいつけによって、御庭案内といたして黒鍬組頭くろくわくみがしら小早川剛兵衛ごうべえ、只今、竹の間のお沓石くつぬぎにてお待ちうけ申し上げておりまする」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして沓石くついし同然の下司の役に甘んじているのは、いつかはうらみをはらしてやろうという覚悟によることである。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こうして沓石くついし同然の下司の役に甘んじているのは、いつかは怨みをはらしてやろうという鬱懐によることである。あなたさまがたにたいする大蔵卿の仕打ちは、かねがね私めも腹にすえかねていた。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)