“くつぬぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沓脱81.2%
沓石6.0%
沓脱石4.3%
履脱3.4%
靴脱2.6%
脱沓0.9%
沓脚0.9%
沓脱台0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
道也先生は親指のんで、前緒のゆるんだ下駄を立派な沓脱へ残して、ひょろ長い糸瓜のようなからだを下女の後ろから運んで行く。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上様のおいいつけによって、御庭案内といたして黒鍬組頭小早川剛兵衛、只今、竹の間のお沓石にてお待ちうけ申し上げておりまする」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外廊の沓脱石には、いつか穿履までそろえてある。そこらの家中の侍たちへ師直は小声で何かいい残していた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母が履脱へ降りて格子戸の掛金を外し、ガラリと雨戸を繰ると、と夜風が吹込んで、雪洞の火がチラチラとく。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と云いながら、面取格子を開けると、一の叩きに小さい靴脱がありまして、二枚の障子が立っているから、それを開けて文治が入りました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
建物の前には黒い虎のまっているような脱沓石があった。広巳はの中を見た。室の中には二十七八に見える面長の色のくっきり白い女が、侵されぬ気品を見せて坐っていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
広巳の眼は脱沓の方へ往った。そこに庭下駄が一足揃えて置いてあった。広巳はそれを見ると脱沓の方へ往って、その下駄の片方をるなり、蛇の処へ走って往っていきなりりつけた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
処へ、母屋から跫音が響いて来て、浅茅生颯々沓脚で、カタリとむと、所在紛らし、谷の上のめて縁に立った、私の直ぐ背後で、衣摺れが、はらりとする。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戦国武士の血を多分にけ継いでいる忠之は、芥屋石の沓脱台に庭下駄を踏み鳴らして癇をぶらせた。成行によっては薩州と一出入り仕兼ねまじき決心が、その切れ上ったに見えた。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)