“悪戯”のいろいろな読み方と例文
旧字:惡戲
読み方割合
いたずら72.3%
わるさ12.7%
いたづら10.0%
あくぎ1.3%
わるいたずら0.5%
いた0.3%
じょうだん0.3%
たわむれ0.3%
わるふざけ0.3%
てんがう0.2%
いらずら0.2%
おいた0.2%
からか0.2%
からかう0.2%
てんごう0.2%
ふざ0.2%
ふざけ0.2%
わるあがき0.2%
わるあがぎ0.2%
わるごと0.2%
わるふざ0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「実は、飛んだ罪な悪戯いたずらをした奴がおりましてな。」不意を喰って愕然ぎょつと振向いたかたちのままで、ルキーンは割合平然と答えた。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「九時比に目黒のさきへ往ったと云うのは時間がわないが、女と往ってよろしくやってたから、何人たれかが悪戯いたずらをしたのじゃないの」
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「——その上にもです。右馬介から聞けば、私のつまらぬ悪戯わるさから、御当家へまで、何か、探題殿よりむずかしい御尋問の沙汰がありましたとか」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはさぞ御心配、多分お濠に棲んでいる獺の悪戯わるさであろう、拙僧わしがちょいと退治して進ぜる。娘御には何んにも仰しゃらぬが宜しい」
そのつれ ああ云ふ莫迦者ばかものは女と見ると、悪戯いたづらをせぬとも限りません。幸ひ近くならぬ内に、こちらの路へ切れてしまひませう。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
職人は暫くそんな悪戯いたづらをしてゐたが、最後にたもとを探つて、マツチを取り出したと思ふと、ぱつと火をつて虱の背に当てがつた。
欲望を異にして、目的を同じうするこの悪戯あくぎに似たるほどの奇妙な道連れは、単に道連れとしてはおたがいに頼もしいものでありました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ならば別段でもござりませぬが、何者かの悪戯あくぎ——おそらく悪戯と察せられます——で、殺害さつがいされたものでござる」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若「旦那悪戯わるいたずらをなすっては困ります、畳を残らず揚げて段々積み重ねちまって、其の上に乗ってらっしって何う致したんでございます」
がらにない事をなさるから御自分で事をこわすようなものです」大原「イヤあれは大失敗、全く僕が悪戯わるいたずらをされたのです。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「小山さん、そんな水いじりをなすっちゃ、いけませんよ。御覧なさいな、お悪戯いたをなさるものだから、あなたの手はひびだらけじゃありませんか」
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「相変わらずのお悪戯いたでござりますか」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
悪戯じょうだんにも程がある。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
文「おい/\姉さん何だかくわしい訳は知りませんが、聞いていれば此の人は人違いでお前さんに悪戯じょうだんをしたのだそうだから、腹も立とうが成り替ってわしが詫びましょうから、勘弁して此の人を帰して下さい、そうお前さんのように無闇に人をつものではありません」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
アア偶々たまたま咲懸ッた恋のつぼみも、事情というおもわぬいてにかじけて、可笑しく葛藤もつれたえにしの糸のすじりもじった間柄、海へも附かず河へも附かぬ中ぶらりん、月下翁むすぶのかみ悪戯たわむれか、それにしても余程風変りな恋の初峯入り。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「一週間ばかり前に天岳寺の境内を通抜けたら、義士の墓の門札が、何人なにびと悪戯たわむれか『ぎしばか』としてあった。其時は笑って過ぎたが、今日通ったら、門札は依然『ぎしばか』でいる。都の名寺を預っている当局者は此れでは余り無責任ではなかろうか。(世話焼生)」
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
此の通りゴタ/\して居りますのに、悪戯わるふざけをなすっては困ります、い花魁はわたくしどもの自由にはなりませんので
其日に限つては、妙に生徒一同が静粛で、参観人の居ない最初の時間から悪戯わるふざけなぞを為るものは無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何故といつて彼は時々主人を訪ねて来るお客に悪戯てんがうをする事を知つてゐたから。
「まあ、帰りがけの悪戯てんがうなんだわ。」
そしてそれらの花を見たばかりの時は、誰かが悪戯いらずらをして、その枝々におびただしい小さな真っ白な提灯ちょうちんのようなものをぶらさげたのではないかと言うような、いかにも唐突とうとつな印象を受けたのだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
亥之が行末をもお頼みまをして置ておくれ、ほんに替り目で陽気が悪いけれど太郎たろさんは何時いつ悪戯おいたをしてゐますか、何故なぜに今夜は連れておいででない
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「いえいえそれがわが君様の、ご本心ならばともかくも、そうではのうてあの狐めのたわむれ半分の悪戯からかいから、殿の心をたぶらかし、この山吹を賭物かけものにして、もしこの山吹をわが君が、心に従わすことが出来たなら、あの狐めも殿の御心みこころに、従うなどと申し上げて、そそのかしたがそのために」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
実に北国の冬は、笛を吹くか、歌を歌うか、酒を飲んで女に悪戯からかうか、而して其等それらの遊び方が原始的で、其処に言い知れぬ哀れがある。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
源介は濁声だみごえで一喝した。「ところもあろうに江戸の真ん中で、女悪戯てんごうとは何事だ、くじらの源介が承知ならねえ! 俺の縄張りを荒らしやがって、いいかげんにしろ、いいかげんにしろ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、左翼の一番の強敵は右翼じゃなくて同じ左翼だというのが、今じゃ現実そのものになって来たんだから、思想もどこまでこ奴、悪戯ふざけるか底が知れないよ。現実を全くひやかしてるようなもんだからね。そこをユダヤ人がまた食いさがってにやにやするという寸法だ。良い加減に腹を立てる奴も出て来るさ。
厨房日記 (新字新仮名) / 横光利一(著)
紙幣さつと菓子との二つ取りにはおこしをおくれと手を出したる物なれば、今の稼業に誠はなくとも百人の中の一人に真からの涙をこぼして、聞いておくれ染物やのたつさんが事を、昨日きのふも川田やが店でおちやつぴいのお六めと悪戯ふざけまわして
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし本人の金兵衛にとっては悪戯わるあがきどころの騒ぎではなかった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「玩具の刀を偉そうに持って、縹緻きりょうの悪い卑しい家の子供が、こんな夜中に悪戯わるあがぎをしている」と。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
申すまでもなく唐人あちゃさんと堅気きんとうの娘が会合さしあうことは法度でござりますばッてん、お種も最初はなのうちは恐ろしかと思い、わたしに隠して一々送り返していたとですが、お種はちっと早熟者はやろうのところへ、向うは美しか唐人あちゃですけん、何時いつの間にかほだされて悪戯わるごとばするようになりました。
とお互い同志で着物のすそまくり合ってキャッキャッと悪戯わるふざけを始めたがしまいには止め度がなくなってお使いにやられる通りすがりの見も知らぬ子のお尻を捲ってピチャピチャと平手でたたいて泣かせる、若者は面白ずくにしかける。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)