“悪戯”のいろいろな読み方と例文
旧字:惡戲
読み方(ふりがな)割合
いたずら72.8%
わるさ12.7%
いたづら10.0%
あくぎ1.3%
わるいたずら0.5%
いた0.3%
わるふざけ0.3%
いらずら0.2%
おいた0.2%
からか0.2%
(他:9)1.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“悪戯”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語49.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)2.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ふ、ふ、ふと、悪戯いたずらそうに笑う宏子につれて順二郎も、ふっくりした顔を笑いにほころばした、ただ声だけは出さないで。
雑沓 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
なるほど、悪戯いたずらをしかけた悪太郎どもの方を睨みつけた旅の子供のかおを見れば、決して子供ではありませんでした。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「マクシム、お前は泥棒の悪戯わるさには入るな! 俺は考えるんだが、お前にはほかの道がある。お前は精神的な人間だ」
「なんといふことぢやらう、まあ、みつともない、悪戯わるさもいゝ加減にしてもらはんと、みんなが弱つてしまふに…………」
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
咲子は押入の前にある電話機に駈けよつて、畳につくひながら、悪戯いたづらさうな表情で受話機を耳のところへ持つて行つた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
たとへば武士道主義者などが、今日こんにち子供の悪戯いたづら程も時代の進歩を害せざるは、この法則の好例なるべし。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ならば別段でもござりませぬが、何者かの悪戯あくぎ——おそらく悪戯と察せられます——で、殺害さつがいされたものでござる」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
欲望を異にして、目的を同じうするこの悪戯あくぎに似たるほどの奇妙な道連れは、単に道連れとしてはおたがいに頼もしいものでありました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「何をしておいでなさるの」と言ッて自分の手を押さえて、「そんな悪戯わるいたずらをするものではありませんよ」
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
がらにない事をなさるから御自分で事をこわすようなものです」大原「イヤあれは大失敗、全く僕が悪戯わるいたずらをされたのです。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「小山さん、そんな水いじりをなすっちゃ、いけませんよ。御覧なさいな、お悪戯いたをなさるものだから、あなたの手はひびだらけじゃありませんか」
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「相変わらずのお悪戯いたでござりますか」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此の通りゴタ/\して居りますのに、悪戯わるふざけをなすっては困ります、い花魁はわたくしどもの自由にはなりませんので
其日に限つては、妙に生徒一同が静粛で、参観人の居ない最初の時間から悪戯わるふざけなぞを為るものは無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そしてそれらの花を見たばかりの時は、誰かが悪戯いらずらをして、その枝々におびただしい小さな真っ白な提灯ちょうちんのようなものをぶらさげたのではないかと言うような、いかにも唐突とうとつな印象を受けたのだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
亥之が行末をもお頼みまをして置ておくれ、ほんに替り目で陽気が悪いけれど太郎たろさんは何時いつ悪戯おいたをしてゐますか、何故なぜに今夜は連れておいででない
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「いえいえそれがわが君様の、ご本心ならばともかくも、そうではのうてあの狐めのたわむれ半分の悪戯からかいから、殿の心をたぶらかし、この山吹を賭物かけものにして、もしこの山吹をわが君が、心に従わすことが出来たなら、あの狐めも殿の御心みこころに、従うなどと申し上げて、そそのかしたがそのために」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
実に北国の冬は、笛を吹くか、歌を歌うか、酒を飲んで女に悪戯からかうか、而して其等それらの遊び方が原始的で、其処に言い知れぬ哀れがある。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
アア偶々たまたま咲懸ッた恋のつぼみも、事情というおもわぬいてにかじけて、可笑しく葛藤もつれたえにしの糸のすじりもじった間柄、海へも附かず河へも附かぬ中ぶらりん、月下翁むすぶのかみ悪戯たわむれか、それにしても余程風変りな恋の初峯入り。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何故といつて彼は時々主人を訪ねて来るお客に悪戯てんがうをする事を知つてゐたから。
「まあ、帰りがけの悪戯てんがうなんだわ。」
源介は濁声だみごえで一喝した。「ところもあろうに江戸の真ん中で、女悪戯てんごうとは何事だ、くじらの源介が承知ならねえ! 俺の縄張りを荒らしやがって、いいかげんにしろ、いいかげんにしろ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
紙幣さつと菓子との二つ取りにはおこしをおくれと手を出したる物なれば、今の稼業に誠はなくとも百人の中の一人に真からの涙をこぼして、聞いておくれ染物やのたつさんが事を、昨日きのふも川田やが店でおちやつぴいのお六めと悪戯ふざけまわして
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし本人の金兵衛にとっては悪戯わるあがきどころの騒ぎではなかった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「玩具の刀を偉そうに持って、縹緻きりょうの悪い卑しい家の子供が、こんな夜中に悪戯わるあがぎをしている」と。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
申すまでもなく唐人あちゃさんと堅気きんとうの娘が会合さしあうことは法度でござりますばッてん、お種も最初はなのうちは恐ろしかと思い、わたしに隠して一々送り返していたとですが、お種はちっと早熟者はやろうのところへ、向うは美しか唐人あちゃですけん、何時いつの間にかほだされて悪戯わるごとばするようになりました。
とお互い同志で着物のすそまくり合ってキャッキャッと悪戯わるふざけを始めたがしまいには止め度がなくなってお使いにやられる通りすがりの見も知らぬ子のお尻を捲ってピチャピチャと平手でたたいて泣かせる、若者は面白ずくにしかける。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)