“ふざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
43.5%
趺坐30.4%
巫山戯4.3%
巫戯4.3%
冗戯2.2%
2.2%
巫山2.2%
悪戯2.2%
扶坐2.2%
狎戯2.2%
趺座2.2%
跣坐2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かね「居るとこが知れてるくらいなら斯様こんなに心配はしやアしない、おふざけでないよ、私もお前のような人のそばには居られないよ」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やがて、近づく道誉の姿を見つけると、具行は、青芒あおすすきそよぎの中で、ただ一つのそよがない趺坐ふざ石仏せきぶつのごとく、硬直して、きっと相手をにらまえていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから 泥炭の しみたれた 巫戯ふざけだ。
話の材料というのはただの笑話にすぎぬものだが、もしかしたら、私が誰かに冗戯ふざけられていることかもしれない廻転の深さも含んでいる。
ふざけてやがらあ。」とまた一人がののしった。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
君さらば巫山ふざの春のひと夜妻よづままたの世までは忘れゐたまへ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
しかし、左翼の一番の強敵は右翼じゃなくて同じ左翼だというのが、今じゃ現実そのものになって来たんだから、思想もどこまでこ奴、悪戯ふざけるか底が知れないよ。
厨房日記 (新字新仮名) / 横光利一(著)
老僧はへちまをかいてくれた座敷に据ゑてある曲彔きよくろくのうへに金襴の袈裟をかけ、払子ほつすをもつて、昔ながらの石仏のやうに寂然と扶坐ふざしてゐる。私はそのまへへいつて昔のとほり頭をさげて焼香した。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
自由に野方図に狎戯ふざけ散らすのを寛大おおめに見た。
此処から来路らいろを見かえると、額縁がくぶちめいた洞門どうもんしきられた宇治川の流れの断片が見える。金剛不動の梵山ほんざん趺座ふざして、下界流転るてんの消息は唯一片、洞門をひらめき過ぐる川水の影に見ると云う趣。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と石上に跣坐ふざしたその容貌ようぼう、その風采ふうさい、或はしかあるべく見えるのであった。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)