私の書斎のいろいろながらくた物などいれた本箱の抽匣に昔からひとつの小箱がしまつてある。それはコルク質の木で、板の合せめごとに牡丹の花の模様のついた絵紙をはつてあるが、もとは舶来の粉煙草でもはひつてたものらしい。なにもとりたてて美しいのではな …
著者 | 中勘助 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 前篇「東京朝日新聞」1913(大正2)年4月8日~6月4日
後篇「東京朝日新聞」1915(大正4)年4月17日~6月2日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約3時間8分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約5時間13分(300文字/分) |