“入寂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にゅうじゃく75.0%
にふじやく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六袋和尚は六日先んじておのれの死期を予知した。諸般のことを調ととのえ、辞世じせいの句もなく、特別の言葉もなく、あたかも前栽へ逍遥に立つ人のように入寂にゅうじゃくした。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
僧正は一代の高徳、今や涅槃ねはんの境に入って、た世塵の来り触るるを許さないのであるが、余りにうるさく勧められるので、遂に筆硯ひっけんを命じて一書を作り、これを衆弟子に授けて入寂にゅうじゃくした。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
お姫様は四たびめの禅定から出たのちには体もすきとほるほど清浄になり、桑の葉さへたべずにとみかうみして入寂にふじやくの場所をもとめる。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)