“入相”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いりあい71.8%
いりあひ28.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兼好は粟を洗ってしまって、さらに蕪を刻み始めると、どこやらの寺で入相いりあいの鐘を撞き出した。うす寒い風が岡の麓から吹きあげて来た。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それでははじめから、そうしてあげるのだったんですが、手はなし、こうやって小児こどもに世話が焼けますのに、入相いりあいせわしいもんですから。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
入相いりあひを告げる蓮華寺の鐘の音が宿直室の玻璃窓ガラスまどに響いて聞える頃は、ことに烈しい胸騒ぎを覚えて、何となくお志保の身の上も案じられる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
野寺の鐘の入相いりあひの声すごく、分くる草葉の露しげみ、いとど御袖濡れまさり、嵐烈しく、木の葉みだりがはし。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)