“辞世”の読み方と例文
読み方割合
じせい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
支考しこう乙州いっしゅうら、去来きょらいに何かささやきければ、去来心得て、病床の機嫌きげんをはからい申していう。古来より鴻名こうめい宗師そうし、多く大期たいご辞世じせい有り。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
六袋和尚は六日先んじておのれの死期を予知した。諸般のことを調ととのえ、辞世じせいの句もなく、特別の言葉もなく、あたかも前栽へ逍遥に立つ人のように入寂にゅうじゃくした。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
芭蕪翁のわが詠み捨てた句は、一つとして辞世じせいならざるはなしの徹底芸術精神は、学んで到り得るにあらねども、一順礼じゅんれいの最後の足跡までに、しるしをつけておいた。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)