“御世辞”の読み方と例文
旧字:御世辭
読み方割合
おせじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると客は、なにおれの前へ出た時だけ御世辞おせじを云ってくれりゃそれでうれしいんだ、蔭で何と云ったって聞えないから構わないと答えていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
唯経験を積んだ御世辞おせじのいい開業医に過ぎない事を知っていたので、新来の岸山先生の簡単な診察ぶりと愛想気あいそっけのない態度についてはかえって学者にふさわしいような気もした所から
寐顔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
笑いながら御世辞おせじを云ったが、電報も打たず、いつ着くとも知らせなかった余の到着を、いくら権威赫々けんいかくかくたる総裁だって予知し得る道理がない。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)