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御世辭
「
本當にね。
兄さんにさへ
御金があると、
何うでもして
上げる
事が
出來るんだけれども」と、
御世辭でも
何でもない、
同情の
意を
表した。
社會的に
觀察すれば、
嫁にもらひ
手のない
女文士の
救濟家(この一
句、
失言、
取消し。こんな
事もあらうかと、
初めに、
皆美人だと、
御世辭をいつておいたのだが)
所が
今日歸りを
待ち
受けて
逢つて
見ると、
其所が
兄弟で、
別に
御世辭も
使はないうちに、
何處か
暖味のある
仕打も
見えるので、つい
云ひたい
事も
後廻しにして、
一所に
湯になんぞ
這入つて