“慧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さと30.6%
りこう19.4%
さか13.9%
かしこ8.3%
5.6%
けい5.6%
5.6%
2.8%
さかし2.8%
ざか2.8%
めぐみ2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
気の毒な、そう眼がさとくとも困ったものだ。もちろん冗談さ。たかが魚拾いの下司どものたわごと。そんな側言そばごとをしていたという話だ。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
のち十年、桑は郷試に及第して挙人となったので、家も漸くゆたかになった。狐児は頗るりこうであったが、どうも体が弱くてよく病気に罹った。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼女の双眼は、叡智えいちのなかに、いたずらを隠して、さかしげにまたたいていた。引きしまった白い顔に、黒すぎるほどの眼だった。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
故に公の制度としては斎女の風はつとに衰えたけれども、なお民間にあっては清くかつかしこしい少女が、或いは神に召されて優れたる御子を産み奉るべしという伝統的の空想を
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
生死しょうじ沈溺ちんできし、ただある者のみ恩愛おんないむさぼらず、経戒を勤修ごんしゅうす。識想を滅除し、生死尽くるを
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
この答は容易でない、『解』即ち理解、更に言ひかへれば主観のけいの修行を十分に積んだものでなければ、自己を理解することが出来ないからである。
自からを信ぜよ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
もしこの世が天国のようなところなら、あなたは栄えを受くべきです。けれどもこの世では、あなたはへびのごときかしさのかけているために、私にはあぶなっかしく見えます。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
『あなゆるされぬを、』と私語つぶやきひく
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
されどもさかしき畔柳は事の密なるを策の上としてみだりに利の為に誘はれず、始よりその藩士なる鰐淵直行ただゆきの一手に貸出すのみにて、他は皆彼の名義を用ゐて、直接の取引を為さざれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
忠勇無双の日本兵は支那兵と私の小ざかしい予言をさんざんに打ち破つたけれど先生に対する私の不信用と同輩に対する軽蔑をどうすることもできなかつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
父は照り母は涙の露となりおなじめぐみにそだつ撫子なでしこ
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)