りこう)” の例文
のち十年、桑は郷試に及第して挙人となったので、家も漸くゆたかになった。狐児は頗るりこうであったが、どうも体が弱くてよく病気に罹った。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして珏がだんだん大きくなったところで、容貌かおかたちが人にすぐれているうえに、りこうで文章が上手であったから、玉はますますそれを可愛がった。そしていつもいった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
滄客の家は頗るゆたかであった。年は四十になったところで二人あるこどものうち、長男の吉というのは、十七歳でゆうの名士となり、次男もまたりこうであった。
劉海石 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小翠は美しいうえにまたひどくりこうであった。能くしゅうとしゅうとめの顔色をつかえた。王夫妻もなみはずれて小翠を可愛がった。それでも二人は嫁が馬鹿なせがれを嫌いはしないかと思って恐れた。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
楚に薛崑せつこんという者があった。小さい時からりこうで、姿容きりょうがよかった。六つか七つの時、青いきものを着た婆さんが来て
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かんの父親がまだ生きている時、甘の家には一羽の鸚鵡をってあったが、ひどくりこうな鳥であった。ある時珏はその鸚鵡にえさをやった。それは珏が四つか五つの時であったが、父親に訊いた。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
それはりこうできれいな子供であった。羅は毎日洞穴の中でその子供をいじって楽しみとしていたが、その一方ではいつも故郷のことを思っていた。羅はそこで翩翩と一緒に返りたいといいだした。
翩翩 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そうか、そいつはえらい、人は心がけ一つじゃ、侍でも、学者でも、お坊さんでも、神主でも、やろうと思や何でもできる、神主と云えば、牧野の旦那は豪い神主じゃ、お前のお母はりこうで、気がくから、牧野さんで眼を
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)