“りこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怜悧29.9%
悧巧27.9%
利口10.4%
悧口9.6%
利巧7.2%
履行6.4%
2.8%
李広1.2%
悧怜0.8%
聡明0.8%
(他:8)3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世にも美しい怜悧りこうな、それこそ王様が吃驚びっくり遊ばすような御妃を一人、御話し相手として差し上げたいと思いまして
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
怜悧りこうそうな少年のひとみに見入りながら岸本がそう答えると、少年はまだ見たことのない東洋の果を想像するかのように、
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分ながらこの少年に引っ掻き廻されて、たださえ悧巧りこうでない頭がいよいよもって、可笑おかしくなってくるのを感じた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「女はどうしても器量が好くないと損ね。いくら悧巧りこうでも、気がいていても、顔が悪いと男にはきらわれるだけね」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伯母おばなるひと口先くちさきばかりの利口りこうにてれにつきてもからさつぱり親切氣しんせつげのなき
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いまのうちおさまりをかんがへて、利口りこうもの出來できる、學者がくしや好男子いろをとこ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人間が悧口りこうになったので、胡弓や鼓などの、のびのした馬鹿らしい歌には耳をさなくなったのだと人々はいう。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そういう彼女の方がしゃべりたてる彼女よりも、はるかに悧口りこうではるかに同情が寄せられるように、クリストフには思われた。
随身は想像と違ったこの答えをいぶかしく思ったがどちらも山荘を辞して来た。随身は利巧りこう者であったから、つれて来ている小侍に、
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
碁が終わって駄目石だめいしを入れる時など、いかにも利巧りこうに見えて、そして蓮葉はすっぱに騒ぐのである。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
柴田側でも、その際、秀吉から付せられた条件を履行りこうして、秀吉の希望による勝家の養子——柴田勝豊をそれへ入れることにした。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
約束の履行りこうなどという事は、最初から深く考えなかったのみならず、遂行すいこうの時期が来た時分には、もうそれを忘れていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
年は四十になったところで二人あるこどものうち、長男の吉というのは、十七歳でゆうの名士となり、次男もまたりこうであった。
劉海石 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
楚に薛崑せつこんという者があった。小さい時からりこうで、姿容きりょうがよかった。六つか七つの時、青いきものを着た婆さんが来て、
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今まで我が一家はそもそも漢から、どのような扱いを受けてきたか? 彼は祖父の李広りこう最期さいごを思った。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
陵の祖父李広りこうの射における入神にゅうしんの技などを語るとき、蕃族ばんぞくの青年はひとみをかがやかせて熱心に聞入るのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
もっとも、おれのような素一歩すいちぶと腐合おうと云う料簡方りょうけんかただから、はじめから悧怜りこうでないのは知れてるんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからまた或る人が、この二人蓮生に向ってこういう告げ口をしたものさ、熊谷の入道や、宇都宮の入道は無学の者だから、法然様は念仏だけを教えてだましておくんだが、もっと、悧怜りこうな人には、もっと高尚な教えを説いて聞かせてるんだ……こういうことを二人の耳へ入れたものがあったからたまらない
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
とにもかくにも、自分の歳のサバを読むような、生優しい女ではなく、冷酷で、押しが強くて聡明りこうで、強慾ごうよくで、高利貸に生れ付いたような、たくましい心の持主でした。
二人のうちでもフイフイっていうのは、まだ十七か八の初々ういういしい聡明りこうそうなをした、スンナリとした小娘でしたが、あっしに色目を使いはじめたのはドウヤラ此娘こいつの方が先だったらしいんです。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すこ狡猾ずるいような、ひくい、せたブロンジンの、利発りこうらしい瞭然はっきりとした愉快ゆかい眼付めつき
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「君よりは少しばかり多智りこうな積りでいたが。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それならここはわざと無難に落してやって、跡をけて大きな網を被せるほうが巧者りこうだと考え付いて、三次、静かに男の後姿を凝視みつめていた。
いかに怜俐りこうなお延にも考える自由の与えられていないそのあとは容易に出て来なかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし相手に何か考えがあるんだなと悟った彼は、あまりに怜俐りこう過ぎた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「話してるなんて……」と言って、お雪は子供の顔を眺めて、「ああ、もっと悧好りこうな女に生れて来れば好かった。私も……私も……この次に生れ変って来たら……」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
悧好りこうそうな方ですねえ。私もああいう悧好な人に成ってみたい——一日でも可いから……ああ、ああ、私の気が利かないのは性分だ……私はその事ばかし考えているんですけれど……」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
世の中を狂歌にかくれて、自恣じしして居るこの悧恰りこうな幕府の小官吏は、秋成に対しては、真面目まじめな思ひやり深い眼でときどき見た。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
そぼうな扮装なりの、髪はぼうぼうと脂気の無い、その癖、眉の美しい、悧発りこうそうな眼付の、何処にも憎い処の無い人でした。
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
もっともこれは私共の若い時代じぶんの事で、今は若い者が学校に行きますお蔭で皆、賢明りこうになりましたけに、そげな馬鹿はアトカタもうなりました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)