“猾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ずる80.0%
うかし5.0%
から5.0%
こす5.0%
5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あのぢゞい、中々なか/\ずるやつですよ。華山くわざん僞物にせものつて押付おつつけやうとしやがるから、いましかつけつたんです」とした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
頑敵たる長髄彦ながすねひこを初め、八十梟帥やそたける磯城しき賊、うかし賊、土蜘蛛つちぐもなど、兇悪な蛮賊が到る処に、皇軍を待つてゐた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
あいつは子供の時から根性がよくなくてな、喧嘩口論でもしたが最後、いつまでも根に持っている奴だ、小狡こすからくって裏表があるから、わしは昔からあの男が大嫌いだった。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
多少擦れているような点もあるか知れないが、それは境遇上むを得ないことである、あれで案外純真な、正直なところもあって、お腹の中はそうこすからい人間ではない
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
娘の眼はその瞬間にやさしいるさを、その可愛げな頬ににっとうかべた。——眠元朗はちくりと胸をされたような気がした。かるい不快が伴うた気分だった。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)