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猾
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ずる
ふりがな文庫
“
猾
(
ずる
)” の例文
「あの
爺
(
ぢゞ
)
い、
中々
(
なか/\
)
猾
(
ずる
)
い
奴
(
やつ
)
ですよ。
華山
(
くわざん
)
の
僞物
(
にせもの
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
押付
(
おつつけ
)
やうとしやがるから、
今
(
いま
)
叱
(
しか
)
り
付
(
つけ
)
て
遣
(
や
)
つたんです」と
云
(
い
)
い
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
二階へ
庇
(
ひさし
)
を渡つて入つた上、よく眠つてる金之助を當て身で目を廻させ、鎌で切り刻んだのは
猾
(
ずる
)
いやり方だ。足袋の始末を
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あいつも
猾
(
ずる
)
いがあっしも
利巧
(
りこう
)
じゃあねえ、かたちからするとこっちが乗り出した恰好で、あいつの云い草じゃねえが、まったくなっちゃあいません」
赤ひげ診療譚:04 三度目の正直
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
『は。』と、言つて、
猾
(
ずる
)
さうな、臆病らしい眼附で健の顏を見ながら、忠一は
徐々
(
そろ/\
)
と
後退
(
あとしざ
)
りに出て行つた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
放二さんは人の隙をねらうような
猾
(
ずる
)
いことはできませんが、記代子さんの行方を突きとめているのです
街はふるさと
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
のら猫の
猾
(
ずる
)
い
逃脚
(
にげあし
)
と疑ひ深い心をもつやうになり、女房や女中が連れに行つても馴染みを
逸
(
そ
)
れた
卒気
(
そつけ
)
ないふうをした、僕はそんな猫なら打つちやつて置けと言つたが
鉄の死
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
『
Willi
(
ウイリー
)
の奴を
看
(
み
)
てゐると実におもしろいね。すばしこくて、短気で、
猾
(
ずる
)
いところがあるかと思へば、
気前
(
きまへ
)
が馬鹿に好かつたりして、やつぱし
半日本人
(
はんにほんじん
)
といふ処があるね』
日本媼
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「母屋へ行け母屋へ。かまうか、俺がつれてってやろ。あいつ、ほんまに
猾
(
ずる
)
い奴や!」
南北
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
その間に一台の
猾
(
ずる
)
いタクシーが白線から飛び出したがために叱っておく必要がある。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
その
鈍
(
にぶ
)
き
容態
(
なりふり
)
のいづこにか
猾
(
ずる
)
き
眼
(
め
)
を
働
(
はた
)
らかせにやにやと笑ひつつあり。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「あの
爺
(
じじ
)
い、なかなか
猾
(
ずる
)
い奴ですよ。
崋山
(
かざん
)
の
偽物
(
にせもの
)
を持って来て
押付
(
おっつけ
)
ようとしやがるから、今叱りつけてやったんです」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あまりの勢いに呑まれて、何が何やらわからぬ主人の佐五兵衛、その後から、
猾
(
ずる
)
そうな番頭の米吉も顔を出します。
銭形平次捕物控:092 金の茶釜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と言つて、
猾
(
ずる
)
さうな、臆病らしい眼付で健の顔を見ながら、忠一は
徐々
(
そろそろ
)
と
後退
(
あとしざ
)
りに出て行つた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さう言ふ渡し守の
猾
(
ずる
)
さうな顏を見ると、染五郎はツイ餘計な
酒代
(
さかて
)
をはずまなければならなかつたことなど——今はもう悲しい思ひ出になつてしまつたのです。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そう言う渡し守の
猾
(
ずる
)
そうな顔を見ると、染五郎はツイ余計な
酒代
(
さかて
)
をはずまなければならなかったことなど——今はもう悲しい思い出になってしまったのです。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二階へ
庇
(
ひさし
)
を渡って入った上、よく眠ってる金之助を当て身で目を廻らせ、鎌で切り刻んだのは
猾
(
ずる
)
いやり方だ。
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
猾
漢検1級
部首:⽝
13画
“猾”を含む語句
狡猾
弟猾
猾智
狡猾者
老猾
奸猾
狡猾性
猾才
猾手段
猾徒
狡猾相
狡猾無比
乙猾
狡猾怜悧
狡猾婆
狡猾世界
慧猾
佞姦狡猾