“容態”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようだい67.5%
ようたい17.5%
ようす5.0%
ありさま2.5%
かたち2.5%
なりふり2.5%
やうす2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は暗い観覧席かんらんせきで苦笑いをうかべた。その晩から女房の容態ようだいが変ってきた。赤ん坊がうまれることは、もはや絶対の運命である。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
それもその筈です。この物語を聞いた日から三日のちにY——の容態ようたいは急変して遂に白玉楼中はくぎょくろうちゅうの人となってしまったのでした。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
表口に折重なって、福太郎の容態ようすを心配していた連中も、その声を聞いてホーッと安心の溜息をしたのであったが、そのうちの二三人が早くもゲラゲラ笑い出しながら
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
浴後ゆあがりの顔色冴々さえざえしく、どこに貧乏の苦があるかという容態ありさまにて男は帰り来る。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
雪之丞の、そうした容態かたちは、相も変らず、しとやかに、優しかったが、しかし、不思議に、五分の油断もすきもない気合がみなぎって、どんな太刀をも、寄せつけなかった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
そのにぶ容態なりふりのいづこにかずるはたらかせにやにやと笑ひつつあり。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
病人あしらひにされるまでの事はない、手拭だけを絞つて貰へば顔も一人で洗ふたが好い気持ぢや、とたがの緩みし小盥に自ら水を汲み取りて、別段悩める容態やうすも無く平日ふだんの如く振舞へば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)