“ようす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
容子71.3%
様子13.3%
動静2.4%
態度2.2%
光景1.8%
挙動1.3%
容姿1.1%
風采1.1%
樣子0.7%
姿態0.7%
容態0.4%
容體0.2%
消息0.2%
事情0.2%
内部0.2%
外貌0.2%
0.2%
形容0.2%
情実0.2%
挙止0.2%
景状0.2%
有様0.2%
状態0.2%
状況0.2%
0.2%
近況0.2%
風丰0.2%
風度0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これがまた、白あばたの、年に似合わず水々しい、大がらな婆さんでございましてな、何さま、あの容子ようすじゃ、狐どころか男でも……
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしわたくしは三かわらしいものをわたったおぼえはない……閻魔様えんまさまらしいものにった様子ようすもない……なになにやらさっぱりちない。
「ですからお雪さんだって、あなたの動静ようすを遠くから、あゝして見ているんですよ。かたづいてなんかいやしませんよ。」
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
繰拡くりひろげたペイジをじっ読入よみいつたのが、態度ようす経文きょうもんじゅするとは思へぬけれども、神々こうごうしく、なまめかしく、しか婀娜あだめいて見えたのである。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そばへ寄るまでもなく、おおきな其の障子の破目やれめから、立ちながらうち光景ようすは、衣桁いこうに掛けた羽衣はごろもの手に取るばかりによく見える。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
機に臨んで要領を得ないような挙動ようすをやられるので始終ハラハラした心持でついてゆくのであった。
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
あの小僧はちっちゃくて容姿ようすいので毛唐の変態好色すけべえ連中が非常にくんだそうです。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
過日このあいだの方はあれから入来いらしって、あの翌晩おひとりで、そう可笑いんだよ玉ちゃんが大変岡惚して、風采ようすのいゝ方ねえ、あら姉さんも、何だね厭に気を廻すよ、だって風采が好って
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ところが用明天皇ようめいてんのう推古天皇すいこてんのう、すなはち聖徳太子しようとくたいしころ天皇てんのうから天智天皇頃てんちてんのうころまでは、支那しな影響えいきようけた四角しかくつか御陵ごりようおこなはれて、まったく樣子ようすかはつてました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
十六七の頃から、彼女は下女達と交つて、客の前へ出るやうになつたが、家の養女むすめだといふのと、小作りの可愛気のある姿態ようすとで、大変客に可愛がられた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
別段悩める容態ようすもなく平日ふだんのごとく振舞えば、お浪はあきれかつ案ずるに、のっそり少しも頓着とんじゃくせず朝食あさめししもうて立ち上り、いきなり衣物を脱ぎ捨てて股引ももひき腹掛け着けにかかるを
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
振舞ふるまひ小遣こづかひなど與へて喜ばせ聲をひそめつゝ其方そなたの主人の娘お高殿に我等われら豫々かね/″\こゝろかくる所お高殿も氣のある容體ようすなれども御母殿おふくろどの猿眼さるまなこをして居る故はなし出來難できがたければ貴樣に此文をわたあひだ能々よく/\人目ひとめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亡者なきものにせんとのたくみに相違御座なく候と申立るに大岡殿して其方忠兵衞より請たる遺恨ゐこんと云ふは如何のわけなるぞと云はれければ長庵此儀はちと私しの口よりは申上難く候とて恥入はぢいりたる容體ようすに見えける故越前守殿兎も角も其方忠兵衞に遺恨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
主税の消息ようすを知っているお葉が、居るかもしれない屋敷の構内から、不穏な物音の聞こえるということは、お八重にとっては心配であった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お葉に逢って訊ねたならば、恋人主税のその後の消息ようすを、耳にすることが出来るかもしれない。——
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とにかく、そんな訳で舟を漕ぎ漕ぎ友太郎の話を聞いて行くうちにアラカタの事情ようすがわかると吾輩大いに考えたよ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……私はそれから裏口の梔子くちなしの蔭にむしろを敷きまして、煙管きせるくわえながら先刻さいぜん蒸籠せいろつくろい残りをつづくっておりましたが、そこから梔子の枝越しに、離家の座敷の内部ようす真正面まむきに見えますので
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
眼鏡もひげもなく、毬栗いがぐり頭で、黒の背広に鼠色ねずのネクタイという、誠に平凡な外貌ようすの山井検事が、大兵肥満で、ガッシリした、実行力に富む署長と、相対した時には、佳いコントラストを為した。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
許宣はそこに立って室のようすを見た。中央のつくえの上に置いた虎鬚菖蒲はししょうぶの鉢が、ず女の室らしい感じを与えた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
掛たら彼方はおどろききふ病人の診察みまひもどりと答へし形容ようす不審いぶかしく殊に衣類いるゐ生血なまちのしたゝり懸つて有故其の血しほは如何のわけやと再度ふたゝび問へば長庵愈々驚怖おどろき周章あわて嗚呼ああ殺生せつしやうはせぬ者なりえきなきことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「エ学問……出来るというはなしも聞かんが……それとも出来るかしらん。この間から課長の所に来ているのだから、我輩もまだ深くは情実ようすを知らないのです」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この頃の貞之進の挙止ようすが尋常でないので、かつて貞之進をせびり続けた悪太原あくたばらの如きに至っては、一層きびしく嘲けりこそすれ白銅一箇ひとつ快くは貸して呉ぬので、貞之進はたゞ怒り易い一方にのみ傾いて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
その時清を押えくれたる礼をもべつその時の景状ようすをも聞きつ、また一ツにはさんざん清をののしり叱って以後こののちわが家に出入り無用と云いつけくれんと立ち出でかけ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あの手拭が頸にまとい就いてる有様ようす巨細よく視て下さい。あの手拭は交叉して括っては無い。端からグルグル巻き付けた形になってます。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
あっしは暴れるのをやめてボンヤリと見惚みとれてしまいましたよ。向うの部屋の状態ようすがアンマリ非道ひどいんで、呆れ返ってしまったんです。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
うしたところることもあるまいから、よくよくをつけて天狗界てんぐかい状況ようすをさぐり、また不審ふしんてんがあったら遠慮えんりょなく天狗てんぐ頭目かしらたずねてくがよいであろう……。
ようするに只だ外部の事にのみ力瘤が入れられたのであつた。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
武男はよりて母の近況を知りまたほのかに浪子の近況ようすを聞きぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
魚頭をつぎ、鱗をふく(宗八の言にありますね。)私窩子じごくでもやってるのじゃないか、と思った。風丰ようすがまた似ていました。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それにしても年紀としなり風度ようすなりえばあどけないような所ろから見て、そんなはずはあるまい/\に打消されて、内実どこまでも無垢不染むくふぜんの者にして自分の手に入れたかったのだ、否
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)