姿態ようす)” の例文
どうかすると心にもない自分のうえばなしがはずんで、男にもたれかかるような姿態ようすを見せたが、聴くだけはそれでも熱心に聴いている浜屋が
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
十六七の頃から、彼女は下女達と交つて、客の前へ出るやうになつたが、家の養女むすめだといふのと、小作りの可愛気のある姿態ようすとで、大変客に可愛がられた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
私は黙ってお宮の言うのを聞きながら、そっと其の姿態ようすを見まもって、成程段々聞いていれば、何うも賢い女だ。標致きりょうだって、他人ひとには何うだか、自分にはまず気に入った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
何時か西洋の演劇雑誌で見たことのある、西洋あちら女俳優おんなやくしゃのような頭髪かみをしている、と思って私はあおむけに寝ながら顔だけ少し横にして、凝乎と微笑わらい/\女の姿態ようすに見惚れていた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)