“静”のいろいろな読み方と例文
旧字:靜
読み方割合
しずか44.1%
しず32.2%
しづか5.6%
しづ4.4%
じっ4.4%
しずま2.4%
しづま1.2%
しい1.0%
せい0.8%
しずけ0.8%
そっ0.6%
し0.4%
しづけ0.4%
シヅカ0.4%
じつ0.2%
じ0.2%
きよ0.2%
じょう0.2%
そう0.2%
そつ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世間も静(しずか)になり、世の中もかわって来たので、いよいよ故郷に落ちつくことにして、家を建て、細君ももらって新しい生活に入った。
掠奪した短刀 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして、あたりは静(しず)かであって、ただ、遠(とお)い街(まち)の角(かど)を曲(ま)がる荷車(にぐるま)のわだちの音(おと)が、夢(ゆめ)のように流(なが)れて聞(き)こえてくるばかりであります。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、瑠璃子が、さう声をかけた瞬間、今迄静(しづか)であつた父が、俄に立ち上つて、何かをしてゐるらしい様子が、アリ/\と感ぜられた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
不審に思つて先(ま)づ封を切つて見ると驚くまいことか彼が今の妻と結婚しない以前に関係のあつた静(しづ)といふ女からの手紙である。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
五日、七日(なぬか)、二夜(ふたよ)、三夜、観音様の前に静(じっ)としていますうちに、そういえば、今時、天狗(てんぐ)も※々(ひひ)も居まいし、第一獣(けもの)の臭気(におい)がしません。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつしか気が静(しずま)ると見えて、また木枯の吹き荒(すさ)ぶ町の中を黒い服を地上に引摺って、蔦の絡んだ白壁の教会堂の方へと帰って行くのだ。
点 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あゝ風情(ふぜい)とも、甘味(おいし)さうとも——園(その)は乗出(のりだ)して、銀杏返(ゐてふがへし)の影法師(かげばふし)の一寸(ちよつと)静(しづま)つたのを呼(よ)ばうとした。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「静(しい)ちゃん、あすこの引抜きを、今日は巧(うま)くやっておくれ。引きぬきなんざ、一度覚えればコツはおんなじだ。自分が演(や)るときもそうだよ。」
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
鍔ぜり合いは、動(どう)の極致(きょくち)の静(せい)……こうなると、思いきり敵に押しをくれて、刀を返しざま、身を低めて右胴を斬りかえすか。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
お島はどこか自分の死を想像させるような場所を覗(のぞ)いてみたいような、悪戯(いたずら)な誘惑に唆(そそ)られて、そこへ降りて行ったのであったが、流れの音や、四下(あたり)の静(しずけ)さが
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「斯ういう処にいて働(かせ)ぎに出るのかなあ!」と、私は、穢(きたな)いような、浅間しいような気がして、暫時(しばらく)戸外(そと)に立ったまゝ静(そっ)と内の様子を見ていた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
同じなら、竹矢来(たけやらい)を組んでよ、検視の役人付添いの上、ドンドンと太鼓を叩いて、揚幕から静(し)んず静んずと出てみたいやな。
停車場に附属する処の二三の家屋の外(ほか)人間に縁ある者は何も無い。長く響いた気笛が森林に反響して脈々として遠く消え去(う)せた時、寂然(せきぜん)として言ふ可からざる静(しづけ)さに此孤島は還つた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
静(シヅカ)が、昔を今になすよしもがなと朗詠したのは、現実がいかに、きびしいものであるかという事実への歎息ね。
雲(くも)の動(うご)く時(とき)、二人(ふたり)の形(かたち)は大(おほ)きく成(な)つた。静(じつ)とする時(とき)、渠等(かれら)の姿(すがた)は小(ちひ)さく成(な)つた。——飛騨(ひだ)の山(やま)の此(こ)のあたりは、土地(とち)が呼吸(こきう)をするのかも分(わか)らぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
ホームズは全注意を集めて、この話を聞いていたが、この話が終ると、しばしの間は、静(じ)っと沈黙したまま思案に沈んだ。
汝心を静(きよ)めて良き日の来るを待て、変り易きは世の習(ならい)なり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「有(う)にあらず。無にあらず、動にあらず、静(じょう)にあらず、赤(しゃく)にあらず、白(びゃく)にあらず……」その句も忍藻の身に似ている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
此のまゝ静(そう)ッと寝かして下さい。一昨日から何処の座敷に行っても、私身体の塩梅(あんばい)が悪いからッて、皆な、そう言って断っているの……明日の朝ねえ……はあッ神経衰弱になって了う。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
今日(けふ)は日曜なので阿母(おつか)さんが貢さんを起(おこ)さずに静(そつ)と寝かして置いた。で、貢さんの目覚(めざ)めたのは朝の九時頃であつた。十歳に成る貢さんは独(ひとり)で衣服(きもの)を着替へて台所へ出て来た。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)