“静”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
しずか46.9%
しず28.9%
しづか5.8%
じっ4.9%
しづ4.4%
しずま2.1%
しい1.2%
しづま1.2%
せい0.9%
しずけ0.7%
(他:13)3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“静”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)12.1%
文学 > 日本文学 > 戯曲8.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その六人が六人とも、五十歳以上の老人ばかり揃っていたせいか、まだ春の浅い座敷の中は、肌寒いばかりにものしずかである。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
を置き、女郎花、清らかなる小掻巻こがいまきを持ち出で、しずかに夫人のせなに置き、手をつかえて、のち去る。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてしずかなところを、もとめて林の中に入ってじっと道理どうりを考えていましたがとうとうつかれてねむりました。
手紙 一 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのわたしの顔には、今でもおぼえているのですが、まだしずかな思い出のあのほほえみがえずにのこっていました。
美奈子が、退つ引きならぬ境遇に苦しんでゐることを、夢にも知らない瑠璃子は、前のやうに落着いた声でしづかに云つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
インガルスとは打つて変つた肥えた男で、診察のひま/\には、しづかな書斎でエマアソンの論文を読むのが何よりも好きであつた。
ああ、時ならぬ、簾越すだれごしなる紅梅や、みどりに紺段々だんだら八丈の小掻巻を肩にかけて、お夏はじっとしていた。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もし地球の運転が逆になったらかえって宙を飛ぶのが並のもので下にじっとしているのが怪物ばけものになるかも知れない。
大きな怪物 (新字新仮名) / 平井金三(著)
不審に思つてづ封を切つて見ると驚くまいことか彼が今の妻と結婚しない以前に関係のあつたしづといふ女からの手紙である。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
旦那だんな、はて、お前様めえさまなにはつしやる。うさつしやる……しづめてくらつせえよ。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と一心不乱、さっと木の葉をいて風がみんなみへ吹いたが、たちまちしずまり返った、夫婦がねやもひッそりした。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
手をたたく音がしずまって一時しんとしたかと思うと、やがて凛々りりしい能く徹る声で、誰やらが演説を始める。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「このごろは、それはお帰りが遅いのよ。だから淋しくて淋しくてしようがなかったの。ねえしいちゃん。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しいちゃん、あすこの引抜きを、今日はうまくやっておくれ。引きぬきなんざ、一度覚えればコツはおんなじだ。自分がるときもそうだよ。」
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
高柳派の壮士、六七人、しきりに妨害を試みようとしたが、しまひには其もしづまつて、水を打つたやうに成つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ぢき揉消もみけせば人はしづまるとともに、彼もまたさきの如し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
鍔ぜり合いは、どう極致きょくちせい……こうなると、思いきり敵に押しをくれて、刀を返しざま、身を低めて右胴を斬りかえすか。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
元来はせいであるべき大地だいちの一角に陥欠かんけつが起って、全体が思わず動いたが、動くは本来の性にそむくと悟って、つとめて往昔むかしの姿にもどろうとしたのを
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うてな傾けて舟を通したるあとには、かろく波足と共にしばらく揺れて花の姿は常のしずけさに帰る。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして怕しいしずけさは室内にあふれはじめた。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
私は黙ってお宮の言うのを聞きながら、そっと其の姿態ようすを見まもって、成程段々聞いていれば、何うも賢い女だ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
段々寒くなってからは、お前がした通りに、朝の焚き落しを安火あんかに入れて、寝ている裾からそっと入れてくれた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
長く響いた気笛が森林に反響して脈々として遠く消えせた時、寂然せきぜんとして言ふ可からざるしづけさに此孤島は還つた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ちかづけば木蔭の噴水より水の滴るひゞきしづけき夜に恰も人のすゝり泣くが如くなるを聞き付け、其のほとりのベンチに腰掛け、水の面に燈影の動き砕くるさまを見入りて、独り湧出る空想に耽り候。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
シヅカが、昔を今になすよしもがなと朗詠したのは、現実がいかに、きびしいものであるかという事実への歎息ね。
能楽本来の論理で説明すれば、前してのシヅカは、後じての知盛トモヽリの霊の化身である、と謂はねばならぬ。
「でも、己の書くものは普通の奴には分りゃしないよ。しかし、いちゃん、あたりまえのことを書いただけなんだよ」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
「みんなを呼んでくれ! 少し騒ごう。はじめてきいたドストエフスキイに敬意を表するために、せめて皆して飲もうじゃないか。それ程立派な作品を残した人なら、ね、いちゃん、随分苦しかったろうね! 己達のようなへぼでさえこうじゃないか!」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
ホームズは全注意を集めて、この話を聞いていたが、この話が終ると、しばしの間は、っと沈黙したまま思案に沈んだ。
ホームズはしばらくの間、——っと思案していたが、やがて小気味の悪い微笑をうかべた。
少々せう/\わきしたくすぐられても、こらへてじつとしてびくまもれば、さすがせて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じつとするとき渠等かれら姿すがたちひさくつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
にあらず。無にあらず、動にあらず、じょうにあらず、しゃくにあらず、びゃくにあらず……」その句も忍藻の身に似ている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
「あなたねえ、済みませんが、今晩私を此のまゝそうッと寝かして下さい。一昨日から何処の座敷に行っても、私身体の塩梅あんばいが悪いからッて、皆な、そう言って断っているの……明日の朝ねえ……はあッ神経衰弱になって了う。」とえたように言って、横になったかと、思うと、此方に背を向けて、襟に顔を隠して了った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
今日けふは日曜なので阿母おつかさんが貢さんをおこさずにそつと寝かして置いた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)