“静(しずけ)” の例文
旧字:靜
お島はどこか自分の死を想像させるような場所を覗(のぞ)いてみたいような、悪戯(いたずら)な誘惑に唆(そそ)られて、そこへ降りて行ったのであったが、流れの音や、四下(あたり)の静(しずけ)さが
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
蕚(うてな)傾けて舟を通したるあとには、軽(かろ)く曳(ひ)く波足と共にしばらく揺れて花の姿は常の静(しずけ)さに帰る。押し分けられた葉の再び浮き上る表には、時ならぬ露が珠を走らす。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
静(しずけ)さは其(それ)さへもいと遠く思はるゝ迄(まで)の静(しずけ)さに
そうして怕しい静(しずけ)さは室内に溢(あふ)れはじめた。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)