“静止”のいろいろな読み方と例文
旧字:靜止
読み方割合
じっと50.0%
じつと14.3%
じっ7.1%
じつ7.1%
せいし7.1%
キマ7.1%
ポーズ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一代の中に幾棟いくむねかの家を建て、大きな建築を起したという人だけあって、ありあまる精力は老いた体躯からだ静止じっとさして置かなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
宿の女中が物を持運んで来る間ですら、夫人は静止じつとして居られないといふ風で、廊下の外へ出て、冷々ひや/\とした空気を呼吸した。宿の女中はてすりのところへ来て、暗い大きな海浜院の建物を指して見せた。
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
運動場であるベース・ボールの練習も、空を飛ぶ球の動きも、廊下から見物するものをじきに飽きさせた。皆な静止じっとしていられなかった。何か動くことを思った。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何故なぜ、あの大日向が鷹匠町の宿から放逐された時に、自分は静止じつとして居なかつたらう。何故なぜ彼様あんなに泡を食つて、斯の蓮華寺へ引越して来たらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それとも、たった五千メートルの距離から、静止せいしせる巨艦を射撃して、二十門の砲手が、ことごとあたはずれたとでも仰有おっしゃるのかね。なんという拙劣な砲手ども揃いじゃろう
尾上と上下に静止キマつた岩藤、此だけの器量と押し出しが、武道敵とも言ふべき女役の此役に必要不必要などの、問題は飛び越し、其より更に、細部の芸などは通り過ぎて
そこでは静止ポーズは静止そのものが内部的に情熱の燃ゆる焔となり、運動ムウヴマンは動きそれ自身が輝く金剛石デイヤマンとなるであろう。
人形芝居に関するノオト (新字新仮名) / 竹内勝太郎(著)