“じつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ジツ
語句割合
42.3%
24.2%
8.7%
7.9%
7.4%
凝然2.3%
1.8%
凝乎1.3%
実意0.5%
0.5%
0.3%
凝如0.3%
実情0.3%
0.3%
0.3%
地搗0.3%
0.3%
真情0.3%
静息0.3%
静止0.3%
靜乎0.3%
默念0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だツて紳士程しんしほど金満家きんまんかにもせよ、じつ弁天べんてん男子だんし見立みたてたいのさ。とつてると背後うしろふすまけて。浅「ぼく弁天べんてんです、ぼく弁天べんてんさ。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぶときはそのはねじつうつくしいいろひらめきます。このとりはね綺麗きれいですが、ごゑうつくしく、「ぶっ、ぽう、そう」ときつゞけます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
其後そのごをとこからなんつてやつても、をんなからは依然いぜんとして毎月まいげつじつに『御返事ごへんじつてります』の葉書はがきた。とう/\それが一年間ねんかんつゞいた。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
宿やどじつとしてゐるのは、なほ退屈たいくつであつた。宗助そうすけ匆々そう/\また宿やど浴衣ゆかたてゝ、しぼりの三尺さんじやくとも欄干らんかんけて、興津おきつつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
屍を守る見樣みえで、棒の如く突立つた女は、軈て俄然がばと身を投て、伏重なつたと思ふと、じつと僵れて身動も仕無い。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
勘次かんじにはかそびやかすやうにして木陰こかげやみた。かれ其處そこにおつぎの浴衣姿ゆかたすがた凝然じつとしてるのをむしろからはなれることはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うなると、一刻いつこくじつとしてられぬのは武村兵曹たけむらへいそうである。腕拱うでこまぬいて、一心いつしん鐵檻車てつおりぐるま運轉うんてんながめてつたが、たちま大聲たいせい
「若し梅子さん、間違つてたなら勘弁して下ださいな——あの、篠田長二さんて方ぢやありませんか——」言ひつゝ銀子は凝乎じつと梅子を見たり、梅子は胸を押へてた只だうつむきぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
人情の花もくさず義理の幹もしっかり立てて、普通なみのものにはできざるべき親切の相談を、一方ならぬ実意じつのあればこそ源太のかけてくれしに
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と、じつよこぱらを押へてみたが、ぱり可笑しくて堪らなかつた。新聞で見ると、国民党の犬養さんも吹き出したさうだし、京都大学の織田博士も笑つてゐる。真面目な仁保にほ博士などは
くもうごとき二人ふたりかたちおほきくつた。じつとするとき渠等かれら姿すがたちひさくつた。——飛騨ひだやまのあたりは、土地とち呼吸こきうをするのかもわからぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そつゆすぶる、したがつてゆすぶれるのが、んだうをひれつまんで、みづうごかすとおな工合ぐあひで、此方こちらめればじつつて、きもしづみもしないふう
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
凝如じつとしていても爲方しかたが無いので、バレツトも平筆ふでも、臺の上にほうツたらかしたまゝ、ふいとツてへやの内をあるき廻ツて見る。それでも氣は變らない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
何か見めてでもゐると、黒瞳くろめ凝如じつすわツてとろけて了ひそうになツてゐる………うかと思ふと、ふし目に物など見詰めてゐて、ふとあたまを擡げた時などに、ひど狼狽うろたえたやうな
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
善吉も今日ッきり来ないものであると聞いては、これほど実情じつのある人を、何であんなに冷遇わるくしたろう、実に悪いことをしたと、大罪を犯したような気がする。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
見るのもいやなんだもの。信切しんせつな人ではあるし……。信切にされるほど厭になるんだもの。誰かのように、実情じつがないんじゃアなし、義理を知らないんじゃアなし……
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
ひとたてが、ぞろ/\とくと、大袈裟おほげさのやうだが待合室まちあひしつには、あとにわたし一人ひとりつた。それにしてもじつとしてはられない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしひと一寸ちよつとおくりますので。」「終汽車しまひぎしやではありますまいね。それだとじつとしてはられない。」「神戸行かうべゆきのです。」
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうちによるもなかばになつたとおもふと、いへのあたりがにはかにあかるくなつて、滿月まんげつじつそうばいぐらゐのひかりで、人々ひと/″\毛孔けあなさへえるほどであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
瀬戸内海も少し西の方へ行くと、藁ではなくて円い石に多くの環を付けたものを、亥の子石と称して子供が使っており、形式は一段と地搗じつき地固めと近い。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
丁度私は俯いて答へてゐましたのに卓を打つ音に驚愕びつくりして顔を上げると法官の顔が凄い様なんですの。私はじつと其顔を見てゐました。
獄中の女より男に (新字旧仮名) / 原田皐月(著)
のどッ風邪で熱があって苦しいのだから、家に居て看病して呉れる位の真情じつが有りそうなものだとか厭味らしく抜かす。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
そここゝの樹の下に雄雌をすめすの鶏、土を浴びて静息じつとして蹲踞はひつくばつて居るのは、大方羽虫を振ふ為であらう。丁度この林檎畠を隔てゝ、向ふに草葺くさぶきの屋根も見える——あゝ、お妻の生家さとだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何故なぜ、あの大日向が鷹匠町の宿から放逐された時に、自分は静止じつとして居なかつたらう。何故なぜ彼様あんなに泡を食つて、斯の蓮華寺へ引越して来たらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
山は靜乎じつとして村人等の爲すがまゝに委せてゐる。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
かく軍艦ぐんかん乘組のりくんでは一刻いつこく默念じつとはしてられぬ、かつは艦長松島海軍大佐かんちやうまつしまかいぐんたいさはじ軍艦ぐんかん」の全員ぜんゐんが、自分じぶんもつと敬愛けいあいする櫻木大佐さくらぎたいさのために誠心まごゝろから盡力じんりよくしてれるのが、こゝろからうれしく