“擬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まが35.0%
ぎ26.1%
なぞら12.8%
なぞ4.3%
まがい3.0%
ま3.0%
まね2.6%
よそ1.3%
まぎ1.3%
まご1.3%
もど1.3%
さ0.9%
こら0.9%
じつ0.9%
つ0.9%
まがひ0.4%
もてな0.4%
あ0.4%
こ0.4%
こしら0.4%
な0.4%
なら0.4%
に0.4%
にせ0.4%
まぎら0.4%
ギ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
擬(まが)いの神尾主膳に附添いの者共はみな集まって来たし、この家の主人や婢僕(ひぼく)までもみな廊下のところに、そっと様子を見に来ている。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
首を括(くく)りつけた板は、明かに舟に擬(ぎ)したもので、その船首に当る箇所には、船名のつもりか、筆太に「獄門舟」と記(しる)されてさえいた。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そのほか篳篥(ひちりき)などは、いずれあとから擬(なぞら)えたものであろうが、築山、池をかけて皆揃っている。が、いまその景色を言う場合でない。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……一体(いつたい)が、天上界(てんじやうかい)の遊山船(ゆさんぶね)に擬(なぞ)らへて、丹精(たんせい)籠(こ)めました細工(さいく)にござるで、御斉眉(おかしづき)の中(なか)から天人(てんにん)のやうな上﨟(じやうらう)御一方(おひとかた)、と望(のぞ)んだげな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「鼈甲牡丹の絢爛さ! なるほど、うまい形容だな。だが、擬(まがい)の鼈甲牡丹なら三四十銭で、其処(そこ)らの小間物屋に売っていそうですね。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
『左様(さい)でございますか。』とか、繰返し/\教へるのであつたが、二人は胸の中でそれを擬(ま)ねて見るけれど、仲々お吉の様にはいかぬ。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それと等しく蛮民は妙に動物の鳴音を擬(まね)る故、馬の嘶声を擬れば馬を名ざすに事足りたはずだが、それはほんの物真似で言語というに足らぬ。
刺あるをもて薔薇の花を、心に毒ありて貌美しき女に擬(よそ)へんは余りに浅はかなるべし。刺も緑の茎に紅く見えたる、おもむき無きならず。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「ええ、あの方は、私にいい加減な嘘を並べ立てました。だって、あの亡霊は、擬(まぎ)れもない父だったのですから」
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
読者よ、何うであろう、其の美人は擬(まご)う方も無い松谷秀子であった、余も叔父も逢い度いと思って居た怪美人だ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
徳冨蘆花(とくとみろか)が『ほととぎす』に名を成した後の或る時「我は小説家たるを恥とせず」とポーロ擬(もど)きに宣言したのはやはり文人としての国士的表現であった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
源太は腹に戸締の無きほど愚魯(おろか)ならざれば、猪口を擬(さ)しつけ高笑ひし、何を云ひ出した清吉、寝惚るな我の前だは、三の切を出しても初まらぬぞ、其手で女でも口説きやれ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
不昧公が着いたのは、欠伸が中(ちゆう)つ腹(ぱら)と変つてゐた時なので、前々から擬(こら)した饗応(もてなし)の趣巧も、すつかり台なしになつてゐた。
それから二月ばかりして、新右衛門はまた某(なにがし)の邸(やしき)へ来た。そして座敷に飾りつけてあつた先日(こなひだ)の屏風を不思議さうに擬(じつ)と見てゐた。
一刀をピタリと片身青眼に擬(つ)けたといふ工合に手丈夫な視線を投げかけた。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「鼈甲牡丹の絢爛さ! なるほど、うまい形容だな。だが、擬(まがひ)の鼈甲牡丹なら三四十銭で、其処らの小間物屋に売つてゐさうですね。」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
何事とも覚えず驚(おどろか)されしを、色にも見せず、怪まるるをも言(ことば)に出(いだ)さず、些(ちと)の心着さへあらぬやうに擬(もてな)して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紅蓮(ぐれん)大紅蓮という雪の地獄に、俎(まないた)に縛られて、胸に庖丁を擬(あ)てられながら、救(すくい)を求めて悶(もだ)えるとも見える。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
擬(こ)つて霜(しも)の階(きざはし)と成(な)らう。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
綿かと思う柔(やわらか)な背を見物へ背後(うしろ)むきに、その擬(こしら)えし姿見に向って、筵に坐ると、しなった、細い線を、左の白脛(しらはぎ)に引いて片膝を立てた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
羊歯(しだ)類、蘭類、サボテン類などをはじめとして種々な草木を栽(う)え込んで、内部を熱帯地に擬(な)ぞらえ、中でバナナも稔ればパインアップルも稔り、マンゴー、パパ〔イ〕ヤ、茘枝(れいし)、竜眼など無論の事
朕又別に金字もて金光明最勝王経を擬(なら)ひ写して塔毎に各一部を置か令む。冀(こひねが)ふ所は聖法(しやうはふ)の盛なること天地と共に永く流(つたは)り、擁護の恩幽明(ゆみやう)に被(かがふ)りて恒に満ちむことなり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
アレキサンドルに擬(に)せました人が相州東浦賀新井町の石井山三郎という廻船問屋で、名主役を勤めました人で、此の人は旗下(はたもと)の落胤(らくいん)ということを浦賀で聞きましたが
侍女二 錦襴(きんらん)の服を着けて、青い頭巾(ずきん)を被(かぶ)りました、立派な玉商人(たまあきんど)の売りますものも、擬(にせ)が多いそうにございます。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「大理石の様模(はだ)をあたうるには、随意(おもう)ところの一色を塗り、これに脈理を施して天然のものに擬(まぎら)し、後に落古(ラッカ)を被(き)せて艶(つや)出しするを善(よし)とす——。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
予等ハ此地点ニ通リカカルヤ、一大驚異(イチダイキョウイ)ヲ発見セリ。突然予等ノ行手(ユクテ)ニ銃ヲ擬(ギ)シテ立チ防ガリタル一団アリ。彼等ハ異様(イヨウ)ノ風体(フウテイ)ヲナシ身ノ丈(タケ)程ノ雑草(ザッソウ)中(チュウ)ニ潜(ヒソ)ミ居リシモノナリ。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)