“擬物”の読み方と例文
読み方割合
まがいもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
本物の市川海老蔵という役者は、市川総本家の大将で、芝居道の方では王様だ。こいつは擬物まがいもののエド蔵。諸君、だまされてはいけない
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうだよ。頭のものだよ。黄八丈に紋縮緬の着付じゃ、頭のものだって、擬物まがいものくしこうがいじゃあるまいじゃないか。わたしは、さっきあの女が菅笠を
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
擬物まがいものの大きな紫檀の食卓を挾んで、那須と古田が腕組をしている。すこし離れたところで、西貝は床の間を枕にしてまじまじと天井を眺めていた。妙に白らけたけしきだった。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)