“まがいもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
擬物50.0%
贋物50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
擬物まがいものの大きな紫檀の食卓を挾んで、那須と古田が腕組をしている。すこし離れたところで、西貝は床の間を枕にしてまじまじと天井を眺めていた。妙に白らけたけしきだった。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
湯帰りと見えて、しま半纏はんてんの肩へ手拭てぬぐいを掛けたのだの、木綿物もめんもの角帯かくおびめて、わざとらしく平打ひらうちの羽織のひもの真中へ擬物まがいもの翡翠ひすいを通したのだのはむしろ上等の部であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
誰が開けたか、路地へ抜ける木戸はバタバタになって、そこには夜目にもほの白く、贋物まがいものながら、瑇瑁たいまいかんざしが一本落ちております。
お島はそう言いながら、後ろへ手を伸すと、針箱の中から贋物まがいものながら蜀紅しょっこうの錦で作った、守り袋を取出して、平次の前へ押しやりました。