贋物まがいもの)” の例文
誰が開けたか、路地へ抜ける木戸はバタバタになって、そこには夜目にもほの白く、贋物まがいものながら、瑇瑁たいまいかんざしが一本落ちております。
できるならばこういう贋物まがいものの黒頭巾を片っぱしからたたききって、少なくとも本物の剣法の見せしめにしてやりたいと腹を立つこともあるのです。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
誰が開けたか、路地へ抜ける木戸はバタバタになって、そこには夜目にもほの白く、贋物まがいものながら、瑇瑁たいまいかんざしが一本落ちております。
お島はそう言いながら、後ろへ手を伸すと、針箱の中から贋物まがいものながら蜀紅しょっこうの錦で作った、守り袋を取出して、平次の前へ押しやりました。