“簪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんざし89.0%
かざし5.7%
かざ2.8%
さ0.7%
かんざ0.4%
かん0.4%
かんこ0.4%
こうがい0.4%
さしもの0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「隱したつて駄目だよ、證據は銀流しの簪(かんざし)だ。柳橋で藝妓の奴(やつこ)を殺したのを手始めに、四人まで手にかけた、お前は鬼のやうな女だ」
あながち御仏を頼みまゐらせて浄土に生れんとにはあらねど、如何なる山の奥にもありて草の庵の其内に、荊棘(おどろ)を簪(かざし)とし粟稗(あはひえ)を炊ぎてなりと
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
巾幗(きんかく)というのは、まだ笄(こうがい)を簪(かざ)す妙齢にもならない少女が髪を飾る布(ぬの)であって、蜀の人はこれを曇籠蓋(どんろうがい)ともいう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけても、新婦は、まだ華燭(かしょく)のかがやきの褪(あ)せない金色(こんじき)の釵子(さいし)を黒髪に簪(さ)し、五(いつ)つ衣(ぎぬ)のたもとは薫々(くん)と高貴なとめ木(き)の香りを歩むたびにうごかすのだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
流して打歡(うちよろこ)び是迄種々(いろ/\)と厚く御世話に預(あづか)りし上只今の其御言葉(ことば)此御恩(おん)は命(いのち)に代(かへ)ても報(はう)じ難(がた)し實は御察(さつし)の通り僅(わづか)の路銀(ろぎん)を遣(つか)ひ盡(つく)し此程は櫛(くし)簪(かんざ)しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お時は銀簪(かん)で小鬢(こびん)を掻き乍ら、大きい眼を見張ります。
そうして釣竿を右と左と八(はち)の字のように振込(ふりこ)んで、舟首(みよし)近く、甲板(かっぱ)のさきの方に亙(わた)っている簪(かんこ)の右の方へ右の竿、左の方へ左の竿をもたせ
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「櫛(くし)簪(こうがい)も何処へやら」、「夏衣」、「初音(はつね)待たるる時鳥(ほととぎす)」、「閨(ねや)の戸叩く水鶏(くいな)」、「蚊屋の中」、「晴れて逢う夜」、「見返り柳」、などの刺激の強い表象が、春夏秋冬にはめて並べられている。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
牡丹形の蒔絵(まきえ)の櫛に金足の珊瑚(たま)の簪(さしもの)、貞之進は我伏糸(わがふしいと)が見られるようで、羽織の襟をそっとひっぱって居たもおかしかった。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)