“薫々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くんくん93.8%
くん6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野にあっては、さほどでもない菊も、ここに置かれると、はからずも薫々くんくんと香のたかいことが知れる。——秀吉はひそかにこう察した。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを短く切って炉にべてみると、炎はやわらかいし眼には美しいし、また、まぶたにしみるけぶりもなく、薫々くんくんとよい香りさえする。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけても、新婦は、まだ華燭かしょくのかがやきのせない金色こんじき釵子さいしを黒髪にし、いつぎぬのたもとは薫々くんと高貴なとめの香りを歩むたびにうごかすのだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)