“瞼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まぶた97.1%
まぶち0.8%
まなぶた0.5%
けわ0.3%
ひとみ0.3%
ぶた0.3%
みは0.3%
0.3%
めのふち0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつぞや銀座あたりの喫茶店で、何気なく卓上の砂糖をなめていたら、もう五十年も前に遊んだ故郷の野辺が、ふとまぶたに浮んできた。
甘い野辺 (新字新仮名) / 浜本浩(著)
の恰好だの、二重まぶちかげだの、ひとみの深さだの、なんでも僕に見える所丈を残りなくいて行く。すると偶然の結果として、一種の表情がる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
幮の中にまなぶたとぢてこやれども蚊に螫され居し足もすべなく
長塚節歌集:3 下 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
日の暮はけわしいがけの上に、寂しそうな彼を見出した。森はその崖の下にも、針葉樹のほこを並べていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と、後に人の足音がするので、振向くと、それはお八重であつた。矢張桶をぶらぶら擔いで來るが、寢くたれ髮のしどけなさ、起きた許りではれぼつたくなつてゐるひとみさへ、殊更艶かしく見える。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
怜悧相れいりそうな額には、油もつけず幾日もくしけずらない為に、煤気すすけを帯びた様な黒い、たっぷりした散髪が掩いかぶさって居る為に思いきって切れ長なまぶたの底に
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
息の通わぬまで捧腹ほうふくさせ、むやみに酒をおごらせる事毎々だったが、それらは鬼が笑う来巳の年の新年号に「蛇の話」として出すから読者諸君は竜の眼をみはり蛇の鎌首を立てちたまえというのみ。
日が重なると、赤裸になって陣門の近くに群れ、尻振しりふり踊りをしたり、をむいてあかんべえをしたりして、蜀兵を憤らせた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とんとん拍子にのりが来て、深川夫人は嫣然顔にこにこがお、人いきりに面ほてりて、めのふちほんのり、生際はえぎわあぶらを浮べ、四十有余あまり肥大でっかい紳士に御給仕をしたまいながら
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)