“ひとみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒトミ
語句割合
52.0%
32.7%
眸子7.0%
瞳子2.3%
瞳孔1.6%
1.6%
人見0.6%
眼睛0.6%
人身0.2%
眸瞳0.2%
眸瞼0.2%
眼晴0.2%
眼球0.2%
眼眸0.2%
眼瞳0.2%
瞳光0.2%
0.2%
黒瞳0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ピカルディーの田舎者いなかものの目が有し得るすべての輝きが、フォーシュルヴァンのひとみをよぎった。ある考えが彼に浮かんできたのである。
老人のひとみは回顧をなつかしんでいた。前北宋の画院にいた帝室技芸員の一員と聞いて、蕭照も何だかむかし話もしたくなったらしく
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今まで海に面していた眸子ひとみを転ずると、峠へ出るまでは見えなかった普賢ふけん峻峰しゅんぽうが、突如として道の行手を遮って、目の前に表われる。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
いつしかに黄昏たそがれは、花瓶のおもてにうつる空の色、二人が瞳子ひとみをくもらして、さゝやかの二人が世界の、物の彩色あいろを消してく。
彼女は魂と直接じかつながっていないような眼を一杯に開けて、漫然と瞳孔ひとみの向いた見当を眺めていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
聞くだけでもう魂がかきむしられる思いのするその地獄のような風音かざおとこそ、あたり一帯のむざんな光景にひとみを点ずるものなのだが、その音のなかからは
さすがに牢格子ろうごうしははめませんが、出入り口は人見ひとみを付けた厳重なかしの一枚戸で、平常ふだんは大海老錠でとざしてあるらしく、戸の上の欄間らんまの荒い格子から入る明りが、真新しい畳の上に落ちて
(蒲生の子をるに、眼睛ひとみがまこと美しい。いい若者になるだろう)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ぢやあ、ジャネット。私が肉何トン、黒眼何種と、大勢の人身ひとみの取引をしてゐるとしたら、あなたはどうする?」
古語こごいふあり其以てする所を其由そのしたがふ所を其安んずる所を察す人いづくんぞかくさん哉人いづくんぞかくさん哉爰にいつはかざる者有り然れ共其者の眸瞳ひとみ動靜どうせい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是ほどの宝を眸瞼ひとみへ写すと云う事は王侯貴人でも先ず出来まい、秀子は余の気を察したか「念の為之と之を開けて御覧なさい」と云い次に並ぶ二個の箱を指さして
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
鼻腔へ入る、秋は紅葉が赤くなると、どのくらゐ美しいかと、土地の人らしいのが、自慢話をしてゐるのを、聞くともなく聞いてゐるうちに、自分ながら眼晴ひとみが、あやしく散大するやうで
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
濁って、ポカンと開いた黄色い中に、眼球ひとみが輝きもなく一ぱいに据って動かずにいる。盤台面ばんだいづらで、色が黄ばんだ白さで、鼻が妙に大きい。
しかし彼がその深い眼眸ひとみでながめたのは、その美ではなくて魂であった。
うるほひ光る眼瞳ひとみには
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
澄は見るに堪えかねて、わざと瞳光ひとみを庭の面に、移せば折しも散る紅葉、吹くとしもなき夕風に、ものの憐れを告げ顔なり。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
と、後に人の足音がするので、振向くと、それはお八重であつた。矢張桶をぶらぶら擔いで來るが、寢くたれ髮のしどけなさ、起きた許りではれぼつたくなつてゐるひとみさへ、殊更艶かしく見える。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこに、私は滿足して立つてゐた、何故つて、彼女の顏や、着物や、一つ二つの飾りや、白いひたひや、ふさ/\した艷々つや/\しい捲毛まきげや、輝やかしい黒瞳ひとみ