“まなじり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マナジリ
語句割合
72.2%
15.2%
2.0%
眼尻2.0%
眼眦2.0%
目眦1.3%
眉尻1.3%
1.3%
外眦0.7%
目眥0.7%
眸子0.7%
睚眦0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸川志摩は雨龍の眼力にはッとしたが、見現わされた上はかねての覚悟、早くもほぞを決めて、まなじりを釣り上げ、きっと睨み返して云った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
槍をつかんだ伊東のまなじりが裂ける。こいつは、先頃まで、自分が引立てて馬丁をさせて置いた辰公だ——八ツ裂きにすべき裏切者。
アントニオよ、わらはを殺せ、妾を殺せ、只だ妾を棄てゝな去りそと、夫人は叫べり。其かほ、其まなじり、其瞻視せんし、其形相ぎやうさう、一として情慾に非ざるものく、しかも猶美しかりき。
おんなつかしさ少時しばしも忘れずいずれ近きうち父様ととさまに申しあげやがて朝夕ちょうせき御前様おまえさま御傍おそばらるゝよう神かけて祈りりなどと我をうれしがらせし事憎し憎しと、うらみ眼尻まなじり鋭く
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼は、厭な気がしてつと横を向いた。すると、眼眦まなじりが薄ら甘く熱くなるのを感じた。
父を売る子 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「でも、狂人きちがいになるには何か仔細わけがあるでしょう。」と、冬子は目眦まなじりげて追窮ついきゅうした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小さく結んだ髪、広い額、厚いほお、高い鼻、左の眉尻まなじりにほくろがあり、太い毛が一本生えている。外光のかげんで時々光り、針でも刺さっているようだ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
賄賂を出した者も出さない者も、田沼に引立てられた者も退けられた者も、田沼の悪の代弁者と思われた秋月九十郎に対しては、まなじりを決し、拳を握り、その肉をさえくらわんとひしめき合ったのです。
外眦まなじりあがれる三十前後の男なりけれ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
云から待てゐよ必ず忘るゝ事なかれと憤怒ふんぬ目眥まなじり逆立さかだつてはつたと白眼にらみ兩の手をひし/\とにぎりつめくひしばりし恐怖おそろしさに忠兵衞夫婦は白洲しらすをも打忘うちわすれアツと云樣立上りにげんとするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのまゆは長くこまやかに、ねむれる眸子まなじり凛如りんじょとして、正しく結びたるくちびるは、夢中も放心せざる渠が意気の俊爽しゅんそうなるを語れり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しなやかな長い腕の動きが、彼の睚眦まなじりに震へを感じさせた。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)