“まなじり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マナジリ
語句割合
72.3%
16.1%
2.2%
眼尻2.2%
眼眦2.2%
1.5%
外眦0.7%
目眦0.7%
眉尻0.7%
眸子0.7%
(他:1)0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ているうちに、顔の色が、次第にろうのごとく青ざめて、しわだらけのまなじりに、涙が玉になりながら、たまって来る。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
丸顏まるがほあたまおほきなひとまなじりながれ、はなたかくちしま
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
朝子は困惑した顔つきで黙っていた。その顔をじっと見ていて、オリガのまなじりに皺のある大きい眼に思いやりの柔かみが浮んだ。
広場 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その時いずれの印度人もまなじりを挙げて、いつの日にか英国への復讐ふくしゅうを誓わぬものとてはありませんでした。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
かほ、其まなじり、其瞻視せんし、其形相ぎやうさう、一として情慾に非ざるものく、しかも猶美しかりき。
ももこびを含みてみむかへし彼のまなじりは、いまだ言はずして既にその言はんとせるなかばをば語尽かたりつくしたるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
青江三空曹は、武者ぶるいをしながら、怪塔ロケットを睨んで、猛然とスピードをあげました。彼の眼尻まなじりは、いまにもさけそうに見えます。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
眼尻まなじりに力がこもって、口をむすんで。
父は、ペロリと舌を出して平手でポンと額を叩いた。——彼は、厭な気がしてつと横を向いた。すると、眼眦まなじりが薄ら甘く熱くなるのを感じた。
父を売る子 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
様子を見るに実に獰悪ねいあくなまた豪壮な姿であって眼眦まなじりなども恐ろしい奴ですから、強盗本場の中でも一段すぐれた悪徒であろうと思われたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
井上半十郎は縛られたまま、縁の上ににじり上って、涙を含んだ悲憤のまなじりを裂きました。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
賄賂を出した者も出さない者も、田沼に引立てられた者も退けられた者も、田沼の悪の代弁者と思われた秋月九十郎に対しては、まなじりを決し、拳を握り、その肉をさえくらわんとひしめき合ったのです。
やうやくその顔のあきらかに見ゆるひまを求めけるが、別に相対さしむかへる人ありて、髪は黒けれども真額まつかう瑩々てらてら禿げたるは、先に挨拶あいさつでし家扶の畔柳にて、今一人なるその人こそ、眉濃まゆこく、外眦まなじりあがれる三十前後の男なりけれ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「でも、狂人きちがいになるには何か仔細わけがあるでしょう。」と、冬子は目眦まなじりげて追窮ついきゅうした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小吏不敢辞、遂侍仙妃枕席。とろとろと燃える燈の光は仙妃の左か右かの眉尻まなじりにある小さな疵痕を見せた。青年は幸福に浸りながらその疵痕に眼をやった。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのまゆは長くこまやかに、ねむれる眸子まなじり凛如りんじょとして、正しく結びたるくちびるは、夢中も放心せざる渠が意気の俊爽しゅんそうなるを語れり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しなやかな長い腕の動きが、彼の睚眦まなじりに震へを感じさせた。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)