“まなざし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
眼差40.2%
眼眸24.1%
眼光11.5%
8.0%
目容2.3%
目差2.3%
双眸1.1%
星眸1.1%
目指1.1%
目色1.1%
(他:6)7.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ブロックは弁護士の言うことをすっかりのみこみ、悪意のこもった眼差まなざしでKをじろじろながめ、彼に対して激しく頭を振った。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
半眼にひらいた眼差まなざしと深い微笑と、悲心の挙措は、一切を放下せよというただ一事のみを語っていたにすぎなかったのである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「丹羽さんと吉っちゃんなの?」時子は鏡面から眼眸まなざしをはずして彼女には不似合な、そっとした優しみで二人を流し見た。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
スメルジャコフは両手を背後へ回したまま、その前に立って、自信ありげなほとんどいかついくらいな眼眸まなざしで彼を見つめた。
アンガスと呼ばれるその青年は珈琲コーヒーを飲みほして、やさしげな眼光まなざしをしながら根気よく女の顔を見据えていた。
で聲を掛けると、ソワ/\しな不安な眼光まなざしで、只見で置いて、辛面やツとにツこりして挨拶をするといふ始末。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
大牟田公平の事を考え出すと、彼女は昼間の町中でも、思わず背を振向いて、何かにけられているようなまなざしをした。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お葉は、そこで、言葉を切ると、自嘲するような笑みをたたえて、また、噴水のうえにあらわれた一匹の蛍に、まなざしを投げた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
目容まなざしで応答をした。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
春信が女はいづれも名残なごり惜しき昼の夢よりめしが如き目容まなざししてあるものははぎあらはにすそ敷き乱しつつ悄然しょうぜんとして障子にりて雨ななめに降る池の水草みずくさを眺めたる
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その女を活きた女のやうに毎日見に行つてゐたが、或夕方、同じこの畫の前に禮拜らいはいして、最早薄暗くなつた圓柱の蔭に下りて行く一人の女の、目差まなざしはだへと、白い着物の痩せた形とが
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
底ぢからある目差まなざし
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
……其時は自分はバイロンのてつを踏んで、筆を劍に代へるのだ、などと論じた事や、その後、或るうら若き美しい人の、うるめる星の樣な双眸まなざしの底に、初めて人生の曙の光が動いて居ると氣が附いてから
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
星眸まなざしのをやみなさ、——
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
かの星眸まなざしのなほも殘れる。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
佐藤も途方に暮れた目指まなざしを風の鳴りひゞく空の方へ向けた時、堤防の上から、
にぎり飯 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
お光はたとえようのない嫌悪けんお目色まなざしして、「言わなくたって分ってらね」
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
何んな土産であらうか、森の土産が、妾のスタツキングに入るかしら? フロラは、愉しさうな不安のまなざしをしばたゝいて、
こびるやうな、なぶるやうな、そしてなにかにあこがれてゐるやうな其の眼……私は少女せうぢよの其の眼容まなざし壓付おしつけられて、我にもなく下を向いて了つた。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
お父さんとお母さんは、しばらく栄蔵の顔を愛情のこもつた眼指まなざしでみつめただけで、何もいはなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
その眼色まなざしうらみきつさきあらはして、男の面上を貫かんとやうにきびしく見据ゑたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一は轟く胸を推鎮おししづめても、なほ眼色まなざしの燃ゆるが如きを、両個ふたりが顔にせはしく注ぎて、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その瞻視まなざしなさけありげなる、睫毛まつげの長く黒き、肢體したいしな高くすなほなる、我等をして覺えずうや/\しく帽を脱し禮を施さゞること能はざらしめたり。
緋奈子は、人垣から少し離れて、時々不安げにその中を覗き込むのですが、すると直ぐ頸をめぐらせて、私の窓の私の眼へ、同じ不安げな視線まなざしをぢつと落すのです。
帆影 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)