“めつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:メツキ
語句割合
眼付20.8%
目色12.9%
鍍金11.9%
眼色8.9%
目付8.9%
目附6.9%
目容5.9%
滅切5.9%
眼附5.0%
3.0%
眼光2.0%
眼眸2.0%
渡金1.0%
眼相1.0%
滅金1.0%
眼前1.0%
瞳付1.0%
鉱金1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
医者らしい男の外に制服の警官たちが、険しい眼付めつきで私を迎えたその脚下には、蕗子が白い胸も露わにあけはだけたまま倒れています。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
ひげ旦那だんなは、まゆうすい、ほゝふくれた、くちびるあつい、目色めつきいかつ猛者構もさがまへ出尻でつちりで、ぶく/\ふとつた四十ばかり。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何氣なしに取上げた銀鍍金めつきの石鹸函は指に氷着くつつく、廊下の舖板しきいたが足を移す毎にキシ/\と鳴く、熱過ぎる程の湯は、顏を洗つて了ふまでに夏の川水位に冷えた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
くだんの婦人は落着払い、そのひややかなる眼色めつきにて、ずらりと四辺あたりを見廻しつ、「さっさとしないか。おい、お天道様は性急せっかちだっさ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鳩というものは可愛らしいはずなのに、目付めつきがどうも強いのです。簡単な彫りですから、他の鳥なのかもしれません。これが根附を集める始めでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
南の気の毒なものを見るやうな目附めつきが鏡子には寂しく思はれるのであつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
切立ての銘撰めいせんの小袖を着込んで、目眩まぶしいような目容めつきで、あっちへ行って立ったり、こっちへ来て坐ったりしていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
新聞社と雑誌社から頼まれて夜分遅くまで投書の和歌を添削する所から其の安眠不足などの所為せゐで、近年滅切めつき身体からだが痩せこけて顔色も青褪あをざめて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
五十二歳になる袴野は野装束をつけると、眼附めつきも足もとも違ったたくましさを現しはじめた。しかしすての気づかいは本気で言った。
生きてゐる中は、褒めていけず、わる口を言つていけず、いくら本当のことを言はうと思つても、無意識的に、めつきをせずにはゐられないのだから困る。
批評 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
いつも凄いやうな眼光めつきで家内中をめ𢌞して居る。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
思いなしか知らぬが故衛門督えもんのかみによく似ていた。これほどの幼児でいてすでに貴公子らしいりっぱな眼眸めつきをしてえんな感じを持っていることも普通の子供に違っているのである。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
渡金めつききんに通用させ様とするせつない工面より、真鍮を真鍮でとほして、真鍮相当の侮蔑を我慢する方がらくである。と今は考へてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
多くの先輩がきんに見えた。相当の教育を受けたものは、みなきんに見えた。だから自分の渡金めつきつらかつた。早くきんになりたいとあせつて見た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今のチベット法王は敢為かんいなお顔付であるけれども、あの眼相めつきはよくないからしてきっと戦争でも起して大いなる困難をこの国に来たすことがあるであろう
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
牛のような顔をして居ますけれども眼相めつきの鋭くして恐ろしい事は驚くばかりで時々ギロリとにらむですな。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ひとともにわからぬところなにゆゑかさぐりたく、なんともして其女そのをんな一目ひとめたし、いなたしではてくれん、かぶもの滅金めつきをも、秘佛ひぶつとなへて御戸帳みとちやうおくぶかにしんさするならひ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
時には出來あがツた繪を幻のやうに眼前めつきうかべて見て、ひとりでにツこりすることもあツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
相手の紳士はそうした私の顔を、その黒い、つめたい執念深い瞳付めつきで十数秒間、凝視ぎょうししておりましたが、やがてまた胴衣チョッキの内側から一つの白い封筒を探り出して、うやうやしく私の前に置きました。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一面に真白に塗って、鉱金めつきで玉縁にしてある隔壁には、きたない手の痕がついていた。何ダースというたくさんの空罎あきびんが、船の揺れ動くのにつれて、隅で一緒にがちゃがちゃ音を立てていた。