“肥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふと68.1%
14.7%
こや6.3%
こえ5.6%
1.2%
ぶと1.2%
こやし0.6%
こい0.4%
こやす0.4%
ごえ0.4%
こへ0.2%
こゆ0.2%
つち0.2%
ふとり0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その間に、女中頭の菅沼るい(五十歳)白い毛糸のジャケツを、ふとつたからだに軽く羽織はおつて勿体らしく右手のホールから現はれる。
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
でっぷりえた中年の人間が——倉庫係のおじさんだ——ぼくたちのぎっしりまっているボールばこを手にとって、ふたを明けたのだ。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
阿仙おせんは一子の名なかすなの一語之が養育に心を用いん事を望むの意至れり、うまこやせの一句造次顛沛ぞうじてんぱいにも武を忘れざる勇士の志操こゝろづけ十分に見ゆ
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
丁度僕がゐるときこの二人が総理大臣になつたあげく立廻りに及び各々こえビシャクをふりまはして町中くさくしてしまつたことがあつた。
居酒屋の聖人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
かれ出雲いづもに到りまして、大神おほかみを拜みへて、還り上ります時に、の河一八の中に黒樔くろすの橋一九を作り、假宮を仕へまつりて、さしめき。
狭心症にかかっているせいか、一寸ちょっとした好奇心でも胸がドキドキして来そうなので、便々たる夏ぶとりの腹を撫でまわして押鎮おししずめた。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
無量の亭主どもが戦場のこやしになれば、フランス中に寡婦や未亡人が満ちあふれるであろうから、この事業はかならず当るはずだ、などと考えていたのではなかろうか。
青髯二百八十三人の妻 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
車「わしだって元は百姓でがんすから、こいくさいのは知って居りやんすが、此処こゝは沼ばかりで田畑でんぱたはねえから肥のにおいはねえのだが、ひどく臭う」
こゝに玉栗たまくりといふ児戯こどもあそびあり。(春にもかぎらず雪中のあそび也)はじめは雪を円成まろめ雞卵たまごの大さににぎりかため其上へ/\と雪を幾度もかけて足にて踏堅ふみかため、あるひははしらにあてゝ圧堅おしかため、これをこやすといふ。
「渡さぬとあらば、なおおもしろい。木隠龍太郎こがくれりゅうたろう忍剣にんけんが力をあわせて、なんじらを、この松並木まつなみきごえにしてくれる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お前なんどはこへたごをけを叩いて甚句じんくでもうたつておでなさりやいのに。」
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
生きこゆるかとあやしまる。
だから土地に肥料を施す如く、人は色々な文句を作ってこれ等の情をつちかうのだ。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
元三はどうした拍子にか婦のふとりじしを抱えたのだ。それと同時に爺は息も止まり全身に痙攣さえ起きたようだった。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
おないろ薄掻卷うすかいまきけたのが、すんなりとした寢姿ねすがたの、すこ肉附にくづきくしてせるくらゐ。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなわち「」の類と「」の類と「」の類と、こういう風に三つに分けてあるので、「ヒ」だけは三つに分れると考えたらしいのです。これだけが、『古事記』の仮名の他と違った点であります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)