“小肥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぶと87.5%
こぶとり9.4%
ぶと3.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小肥こぶとりの仲居は笑った。俺たちの破廉恥をとがめる笑いではなかった。むしろそそのかすような笑いだったから、砂馬は気をよくして、
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
ただ、父と論じあったので板倉中いたくらちゅうという人の、赤ら顔の、小肥こぶとりの顎髭あごひげのある顔と、ずんずら短い姿と名を覚えている。
さて、気がついて、相手を見ると、黒羽二重くろはぶたへの小袖に裾取すそとりもみうらをやさしく出した、小肥こぶとりな女だつた。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
眉の間にくもりのない、年紀としはまだ若いのに、白粉気おしろいけなしの口紅ばかり、小肥こぶとりしてせてはおらぬが、幼い時から
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女が臘虎らっこの外套に顔をうずめて銀色の夜半の灯のもとを、二、三歩すすまないうちに、金格子の門衛室の扉がひらいて青馬のような近視眼鏡をかけた小肥こぶとりなボッブの女が小走りにちかづくと、悪意のあることばで、「やあ、奥さん。あなた身重になるつもり!」
女百貨店 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
背は高いが、小肥こぶとりに肥った肩のやや怒ったのは、妙齢としごろには御難だけれども、この位な年配で、服装みなりが可いと威が備わる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むかし品川で芸者をしていたとかいうその母親は、体の小肥ぶとりに肥った、目容めつき愛嬌あいきょうのある鼻の低い婆さんであった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)