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肥
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こや
ふりがな文庫
“
肥
(
こや
)” の例文
阿仙
(
おせん
)
は一子の名
泣
(
なか
)
すなの一語之が養育に心を用いん事を望むの意至れり、
馬
(
うま
)
肥
(
こや
)
せの一句
造次顛沛
(
ぞうじてんぱい
)
にも武を忘れざる勇士の
志操
(
こゝろづけ
)
十分に見ゆ
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
正しい藝術を、みんなの
心
(
こゝろ
)
の
糧
(
かて
)
のたしに——
心
(
こゝろ
)
の
糧
(
かて
)
といふほどにならずとも、せめて
肥
(
こや
)
しぐらゐにでもなるやうに——それが望ましいのだ。
むぐらの吐息
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
地方の政治は名状し難いまでに
紊乱
(
びんらん
)
してしまった!
悪辣
(
あくらつ
)
な国司どもは官権を
濫用
(
らんよう
)
して、不正を働き、私腹を
肥
(
こや
)
して、人民を
酷使
(
こくし
)
している。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「こういう奴が油断がならねえんです。いずれ今日明日のうちにゃあ、例の所で
嬲
(
なぶ
)
り殺し、岩屋の
苔
(
こけ
)
の
肥
(
こや
)
しになるんでさあ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これ
蓋
(
けだ
)
し、すでに腹の畑は
肥
(
こや
)
しができ、掘り起こされて
土壤
(
どじょう
)
が柔かになり、
下種
(
かしゅ
)
の時
晩
(
おそ
)
しと待っているところに、空飛ぶ鳥が
偶然
(
ぐうぜん
)
一
粒
(
りゅう
)
墜
(
おと
)
したり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
「年々や桜を
肥
(
こや
)
す花の塵」美しい花が落ちて
親木
(
おやき
)
の肥料になるのみならず、邪魔の
醜草
(
しこぐさ
)
がまた死んで土の肥料になる。
草とり
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
その日その日の暮しを立てる食物の、量を削って
己
(
おの
)
れを
肥
(
こや
)
そうとするような者には往生はできぬ、心を改めて出直しなさい、今日はお札は上げられぬ
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「年々や桜を
肥
(
こや
)
す花の塵」美しい花が落ちて
親木
(
おやき
)
の肥料になるのみならず、邪魔の
醜草
(
しこぐさ
)
がまた死んで土の肥料になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
彼は「おれは銅貨一つだって親戚などにやりはしない。死んだあとで親戚のふところを
肥
(
こや
)
すなんて馬鹿なことは厭だから、そっくりお前に
与
(
く
)
れてやる」
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
若
(
も
)
し
疑
(
うたが
)
うて
立戻
(
たちもど
)
り、
予
(
わし
)
が
所行
(
しょぎゃう
)
を
窺
(
うかゝ
)
ひなど
致
(
いた
)
さうなら、
天
(
てん
)
も
照覽
(
せうらん
)
あれ、
汝
(
おのれ
)
が四
肢
(
し
)
五
體
(
たい
)
を
寸々
(
すん/″\
)
に
切裂
(
きりさ
)
き、
飽
(
あ
)
くことを
知
(
し
)
らぬ
此
(
この
)
墓
(
はか
)
を
肥
(
こや
)
すべく
撒
(
ま
)
き
散
(
ち
)
らさうぞよ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そのほか自分の寺へ帰れば、自分がその役を持って居る間は寺で出来得るだけ
賄賂
(
わいろ
)
を
貪
(
むさぼ
)
り、他の僧侶を
虐
(
しいた
)
げて自分の一家を
肥
(
こや
)
すことを
力
(
つと
)
めて居るのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
老躯と僅少なる資金と本より全成効を
得
(
う
)
べからざるも、責めては資金を希望地に費消し、一身たるや骨肉を以て草木を養い、牛馬を
肥
(
こや
)
すを方針とするのみ。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
びつくりするほどよく
肥
(
こや
)
した上、今は兄のものになつて居る井筒屋の田地のうち、小作をさせない分の土地を本當に
嘗
(
な
)
めるやうに大事に
耕
(
たがや
)
してゐたのです。
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
假令
(
たとひ
)
痩
(
や
)
せさせないまでも
肥
(
こや
)
して
行
(
ゆ
)
くことをしない
畑
(
はたけ
)
の
土
(
つち
)
に
茄子
(
なす
)
は
干稻
(
ひね
)
びてそれで
處々
(
ところ/″\
)
に
一
(
ひと
)
つ
宛
(
づゝ
)
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
聖アントニオは(
贋造
(
まがへ
)
の
貨幣
(
かね
)
を拂ひつゝ)これによりて、その豚と、豚より
穢
(
けが
)
れし者とを
肥
(
こや
)
す 一二四—一二六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
私は親に
悖
(
さから
)
ふのぢやない、阿父さんと一処に居るのを
嫌
(
きら
)
ふのぢやないが、私は金貸などと云ふ
賤
(
いやし
)
い家業が
大嫌
(
だいきらひ
)
なのです。人を
悩
(
なや
)
めて
己
(
おのれ
)
を
肥
(
こや
)
す——浅ましい家業です!
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
第二、人にはおのおの智恵あり。智恵はもって物の道理を発明し、事を成すの目途を誤ることなし。譬えば米を作るに
肥
(
こや
)
しの法を考え、木綿を織るに
機
(
はた
)
の工夫をするがごとし。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
迚
(
とて
)
も取締りのつくものじゃない。結局悪い酒を高く飲ませて密輸入者の腹を
肥
(
こや
)
す丈けのことですよ。下等社会になると怪しげな代用品を調合して飲むから事故が多い。能く死にます。
社長秘書
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いかなる
海鳥糞
(
かいちょうふん
)
も、その
肥沃
(
ひよく
)
さにおいては都市の
残滓
(
ざんさい
)
に比すべくもない。大都市は
排泄物
(
はいせつぶつ
)
を作るに最も偉大なものである。都市を用いて平野を
肥
(
こや
)
すならば、確かに成功をもたらすだろう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「ハヽヽヽ、君の様に悲観ばかりするものぢや無いサ、天下の富を集めて剛造
輩
(
はい
)
の腹を
肥
(
こや
)
すと思へばこそ
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
るが、之を梅子と云ふ
女神
(
めがみ
)
の
御前
(
おんまへ
)
に献げると
思
(
お
)
もや、何も怒るに足らんぢや無いか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
なかんずく摂政が貨幣を改悪して懐を
肥
(
こや
)
したはなし、あるいは人民が、必らずや外人は間もなく武装してとって返し、自分たちをこの虐政から救い出してくれるものと信じているといったはなし!
撥陵遠征隊
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
始のほどは
高利
(
かうり
)
の金を貸し付けて
暴利
(
ぼうり
)
を
貪
(
むさぼ
)
り、
作事
(
こしらへごと
)
を
構
(
かま
)
へて他を
陥
(
おとしい
)
れ、出ては
訴訟沙汰
(
そしようさた
)
、
入
(
い
)
ツては
俗事談判
(
ぞくじだんはん
)
の
絶
(
た
)
ゆる間も無き中に立ツて、
頑
(
ぐわん
)
として、たゞ其の
懐中
(
くわいちう
)
を
肥
(
こや
)
すことのみ
汲々
(
きふ/\
)
としてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
トヾの
結局
(
つまり
)
が
博物館
(
はくぶつくわん
)
に
乾物
(
ひもの
)
の
標本
(
へうほん
)
を
残
(
のこ
)
すか
左
(
さ
)
なくば
路頭
(
ろとう
)
の
犬
(
いぬ
)
の
腹
(
はら
)
を
肥
(
こや
)
すが
世
(
よ
)
に
学者
(
がくしや
)
としての
功名
(
こうみやう
)
手柄
(
てがら
)
なりと
愚痴
(
ぐち
)
を
覆
(
こぼ
)
す
似而非
(
えせ
)
ナツシユは
勿論
(
もちろん
)
白痴
(
こけ
)
のドン
詰
(
づま
)
りなれど、さるにても
笑止
(
せうし
)
なるは
世
(
よ
)
の
是
(
これ
)
沙汰
(
さた
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
肥
(
こや
)
し
桶
(
おけ
)
を肩に掛けて、威勢よく向うの畠道を急ぐ
壮年
(
わかもの
)
も有った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
野に放ち
肥
(
こや
)
せし馬ぞこれ見よと
汝兄
(
なえ
)
が青駒ほこらくは今ぞ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
照付くる日の光自然を
肥
(
こや
)
す
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「あ、ありがとうございました……ありがとう存じます。旦那方がこなけりゃこの万吉は、もう
疾
(
と
)
っくに
椎
(
しい
)
の木の
肥
(
こや
)
しになっているところでした」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
惡い番頭が勝手にそんなものを
拵
(
こしら
)
へて、自分の懷ろを
肥
(
こや
)
して居たのを、何にも知らない俺達の親父とお袋が罪を
背負
(
しよ
)
はされ、いかさま
枡
(
ます
)
は罪が深いと言ふので
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蓋原文は
言語
(
ことば
)
に近く訳文は
言語
(
ことば
)
に遠ければなり、又本多作左が旅中家に送りし文に曰く「一
筆
(
ぴつ
)
申
(
もう
)
す火の
用心
(
ようじん
)
、
阿仙
(
おせん
)
泣
(
なか
)
すな、
馬
(
うま
)
肥
(
こや
)
せ」と火を
警
(
いまし
)
むるは家を
護
(
まも
)
る第一
緊要的
(
きんようてき
)
の事
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
裏面においてはこれによりて
窃
(
ひそか
)
に私腹を
肥
(
こや
)
すことがあったからである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「然うさ。目を
肥
(
こや
)
して置けば宜いんだ」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
俺
(
おれ
)
ちも
壮健
(
がんぢやう
)
で、うんと
肥
(
こや
)
せ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「もう今頃は、枝垂れ桜の
肥
(
こや
)
しになって、桜の根方に斬り殺されているだろうさ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お隣の屋敷の庭男が、今朝薄明るくなってから、波岡家の不浄門のあたりに、野菜物を積んだ
肥
(
こや
)
し車が一台、
曳
(
ひ
)
く人も無く捨ててあったが、間もなく何処かへ行ってしまったということが解りました。
銭形平次捕物控:243 猿回し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
鶏
(
にわとり
)
を盗んできて、この
阿女
(
あま
)
め一人で腹を
肥
(
こや
)
してくさる」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“肥”の意味
《名詞》
(こえ) こやし。肥料。また、肥料に用いる糞尿。
(出典:Wiktionary)
肥
常用漢字
小5
部首:⾁
8画
“肥”を含む語句
肥桶
肥満
肥料
土肥
堆肥
肥桶臭
肥大
小肥
肥溜
肥柄杓
大兵肥満
肥肉
肥満漢
肥料溜
豬肥
肥料桶
肥後
肥沃
肥立
下肥
...