“汲々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゅうきゅう80.9%
きふ/\12.8%
きふきふ2.1%
きゆうきゆう2.1%
せっせ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春泥は、警察の探索が怖くなって、当の目的であった静子の殺害を思いとどまり、ただ身を隠すことに汲々きゅうきゅうとしていたのであろうか。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こひねがはくば、満天下の妙齢女子、卿等けいら務めて美人たれ。其意そのこゝろの美をいふにあらず、肉と皮との美ならむことを、熱心に、忠実に、汲々きふ/\として勤めて時のなほ足らざるをうらみとせよ。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今の学者何か新発見をして博士号を得んと汲々きふきふたれども、発見とはさまでむづかしき事にあらず。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼はひそかいましめて多く夜でず、内には神を敬して、得知れぬ教会の大信者となりて、奉納寄進に財ををしまず、唯これ身の無事を祈るに汲々きゆうきゆうとして、自ら安ずるはかりごとをなせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お隅が遠い井戸から汲々せっせと水を担いで通るところを見掛けた者は、誰一人めないものが無い位。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)