“希”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねが54.8%
こいねが12.0%
まれ7.1%
のぞ4.1%
ねがわ4.1%
こひねが3.7%
ねがは3.7%
1.2%
こいねがわ1.2%
こひねがは1.2%
1.2%
ねご0.8%
ネガ0.8%
めずら0.4%
0.4%
きれ0.4%
こいね0.4%
こいねご0.4%
こひね0.4%
しばし0.4%
めず0.4%
めづら0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とにかく、老年変若をねがう歌には「みつは……」と言い、瑞歯に聯想し、水にかけて言う習慣もあったことも考えねばならぬと思う。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
現界の富強をこいねがわず、神界の福楽を欣求ごんぐする鼻をたっとぶあつまりは、崇高幽玄、霊物を照破する鼻に帰依して財宝身命を捧げました。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
東は富士河みなぎりて流沙りうさの浪に異ならず。かかる所なればおとなふ人もまれなるに、加樣かやう度々たび/\音信おんしんせさせ給ふ事、不思議の中の不思議也。
萩原から言わせるとこれらの虚無の世界で、たえず明りを見ようというのぞみこそ、彼の生涯をつらぬいた逞しい意欲であったのである。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
東亜の詩人は青蓮にたとえる。一々のいみなは汝の附くるに任せる。ねがわくばその実を逸脱せざらんことを。わたくしのる如くば、それは真夏の際の湖水である。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
一、余、去年已来いらい心蹟百変、あげて数へがたし。なかんづく、ちようの貫高をこひねがひ、の屈平を仰ぐ、諸知友の知るところなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
ねがはくは之が一片の報告書ではなくして、伝統を守護しその礎の上に立つて更に健実な創造へと進むこの上ない準備となることを望んで止まない。
和紙十年 (新字旧仮名) / 柳宗悦(著)
ただの友人より以上の者に私がなりたいとい願ったからとて、友人以下の者にしてしまいて、罰されぬようにと祈りております。
こいねがわくは決して貴国臣民を罰することなくして私を相当の処分に付する手続きを尽すよう願いたい。それがために法王殿下が私を召喚しょうかんせらるるならば私は再び貴国に参ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
いや、色氣いろけどころか、ほんたうに北山きたやまだ。……どうふだ。が、家内かない財布さいふじりにあたつてて、安直あんちよくたひがあれば、……魴鮄はうぼうでもいゝ、……こひねがはくは菽乳羮ちりにしたい。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
物はれなるを以てとうとしとするからであろう、自分は、この仙台のまちにとって、最初の、またただ一人の清国留学生だというので、非常に珍重がられ、それこそあなたの言うように
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
而してその他の人々に至つては徒らに『鉄鎖を求め埒内に止まらんこと』のみをねごふてゐる。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
ソレ臣ノネガウトコロ、唯誓ッテ反国ノ逆ヲチュウシ、以テ先帝ノ遺詔イシヨウニコタエ、世々ノ大道ヲ明ラカニセンノミ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私のようなことを言って救いを乞いに廻る者もめずらしくないところから、また例のぐらいで土地の者は対手あいてにしないのだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
焚木たきぎを加えているうちに、風といっしょに久住十郎がはいってきて、戸口で、惣平次と挨拶を済ますと、色の変った黒羽二重の裾を鳴らして六畳へ上って来ながら
僧等は幾かさねの美しき衣を脱がせて、姫をひつぎの上に臥させまつり、下に白ききれを覆ひ、上に又髑髏どくろ文樣もんやうある黒き布を重ねたり。忽ち鐘の音聞えて、僧等の口は一齊に輓歌ばんかを唱へ出しつ。
つまり高い所からの啓示とか、許容とか、あるいは号令とかいうものをこいねがう、いじらしい心もちがあるにちがいない。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
今や東京市の風景全く破壊せられんとしつつあるの時、われらは世人のこの首都と富嶽との関係を軽視せざらん事をこいねごうてまない。安永頃の俳書『名所方角集めいしょほうがくしゅう』に富士眺望と題して
以てお支度したくほどこひねがふと言ば大藤景色けしきばみ甲斐なく消光くらす浪人ゆゑたくはへの程も覺束おぼつかなしと思うてかくは言るゝかはしらざるなれど武左衞門支度金をむすめをばよめに遣たと言れなばまことよめには非して金に其身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
鼓瑟ことのてしばしとだえ鏗爾こうじとしてしつさしおきてち、対えて曰く、三子者さんししゃよきに異なり。子曰く、何ぞいたまん、またおのおのその志をいうなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彼等はどうかすると、はなぱりの強い女主人から頭ごなしに呶鳴どなりつけられて、ちりちりするような事があったが、思いがけない気前を見せられることも、めずらしくなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
さばかり人にあやしまるれど、彼は今日のみこの町に姿をあらはしたるにあらず、折々散歩すらんやうに出来いでくることあれど、箇様かようの酔態を認むるは、兼て注目せる派出所の巡査もめづらしと思へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)