こひねがは)” の例文
いや、色氣いろけどころか、ほんたうに北山きたやまだ。……どうふだ。が、家内かない財布さいふじりにあたつてて、安直あんちよくたひがあれば、……魴鮄はうぼうでもいゝ、……こひねがはくは菽乳羮ちりにしたい。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こひねがはくば、満天下の妙齢女子、卿等けいら務めて美人たれ。其意そのこゝろの美をいふにあらず、肉と皮との美ならむことを、熱心に、忠実に、汲々きふ/\として勤めて時のなほ足らざるをうらみとせよ。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こひねがはくは駕籠かご二挺にちやうならべて、かむろに掻餅かきもちかせながら、鈴鹿越すゞかごえをしたのであると、をさまりかへつたおらんだ西鶴さいかくむかうに𢌞まはして、京阪成金かみがたなりきん壓倒あつたふするにらうとおもふ。……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)